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超宇宙仮説(中編)

遅くなってごめんなさい。

あれから音楽生成AIにハマっちゃって、その歌詞に沿った話が書きたくなって、構想からやり直しました。

そうしたら、設定を考えるのが楽しくて、文章を書きながらトリップしちゃって、筆が中々進みませんでした。

こんな作者ですが、呆れずにお付き合いしていただけると嬉しく思います。

 ……その晩、僕は奇妙な夢を見た。



 ああ。毎回内容は違うが、またいつもの奇妙な夢だ。

 妙にリアルなのだが、夢なのだと自然とわかる。

 夢の中では、自分じゃない自分が行動し会話するが、その自分じゃない自分の考えも自分の事の事なので当然わかっている。

 違う人生を追体験しているような妙な感じだ。


 夢の中のボクの隣には、香織が座って静かに寝息を立てていた。

 シャトルで移動中だ。船体がゆっくり回転し、0.2G程の遠心力がかかっている。


 ボクと香織が知り合って8年になるだろうか。

 当時18歳だったボクは地方から某大学に学びにきたガキンチョだった。新しい環境にハイになってた僕は、黒までは行かなくてもグレーと言えるほどのお節介な歴史を持つ。


 その日、学食の券売機の列に並ぶが、目の前の女の子はボクの胸ぐらいの身長で、その時の感想は『わぁ、小っちゃ!』だった。

 彼女の番になったが、慌てたように大きなカバンをワチャワチャと探っている。財布を探しているようだ。

 お節介が顔を出したボクは「立て替えるよ。」と声をかけた。

 少女は遠慮しようとしたが、後ろに並ぶ列を見て素直に従った。これがボクがその少女、香織と知り合いになったきっかけだ。


 夢の中のボクは、決して下心があったわけでは無い。なぜならば、香織はどう見ても中学生、下手すると小学生に見えなくもない容姿をしているからだ。

 彼女は所謂天才というやつで、当時12歳だったそうなのだ。この国には飛び級制度はあったものの、大学卒業が2年早くなるほどでしかない。彼女の才能を認めた政府と大学が、特例聴講生という形で学びの機会を与えたらしい。

 香織はその後、大検を経て大学、大学院、研究者という道を歩む。

 なつかれたボクが、なぜだかその隣にずっといるという状況だ。

 知り合って8年。20歳になった香織は美しい女性に成長した。妹扱いしていただけに、どう接すればいいかちょっと戸惑っている。


 この夢の状況に、僕は『香織さん可愛いなぁ。松戸博士と同じ名前だし、どことなく似ているなぁ。。えっ! 無意識に僕が博士に懸想? いや、ないない!』僕はあわてて思考を切り替えた。


 シャトルの向かう先は、時空跳躍実験ステーションだ。

 超宇宙理論の初の実証実験への参加に選ばれたのだ。

 何千という実験項目の最初の項目に香織との研究が含まれていたためで、光栄でありラッキーだった。これから何千という研究者が入れ替わり立ち代わり数十年にわたりステーションに訪れることになる。

 新しい時代の幕開けなんだぞ! その一歩目に立ち会うんだぞ! ボクは興奮で目が冴えているというのに、香織は良く寝ていられるものだと感心する。


 科学界、産業界はお祭り騒ぎだ。しかし最も騒いでいるのは宗教界だったりする。目の前にある見えない世界が証明されるのだから、その騒ぎはもう近代以降最大ではなかろうか。知らんけど。

 サイネージにはその様子が流れている。


 香織とボクの研究は、「超宇宙理論による統一場理論の考察」。

 マンガ談議からSFの設定に花を咲かせただけのはずだったが、その設定を香織が論文にまとめ上げ、学会に大論争を巻き起こしたのだ。

 そして、その説の裏付けとなるのが今回の実験による各種の計測だ。

 どうしてこうなった⁉ としか言えない。


 シャトルがステーションに静かにドッキングし、皆があわただしく移動する。

 シャトルに乗り込む際もだが、香織はステーションに移っても、先に乗り込んでいた研究者や技術者に大人気だ。そうそうたる人達に囲まれる。

 もちろんボクはおまけだ。場違い感が半端ないが歴史的瞬間に立ち会えるのだ。仕方ない。


 ブリーフィングでスケジュールを確認し、それぞれ技術者、研究者と打ち合わせに入る。

 今回の実証実験は、1秒未来へのタイムワープだ。

 最も懸念されたのが、一秒間でどれだけ我々が移動しているのか? である。地球上では、自転、公転、太陽も銀河を周回、しかも宇宙自体が膨張しているのだから、タイムワープ先がどこになるか全くの不明である。

 ワープ先に物体があって重なったらどうなるか、悲惨な状況しか思い浮かばない。相対位置が変わらないと仮定しても、空気が存在し重なる事になる。地上での実験は論外である。

 なので、宇宙空間で実験を行うことになるのだが、各種計測時間の関係で1秒以上は欲しい。そして、タイムワープで移動する距離を、光速をマックスと仮定し安全を考慮して10倍の距離を取ったこの空間での実験となった。

 各種計測機器とビーコンを搭載した、無人のプローバーを1秒先に送り出すのだ。


 この実験における測定項目は多岐にわたる。

 幾度も綿密に実験設備と手順の確認が行われ、幾通りものパターンのシミュレーションを行い、いよいよ実験の日を迎えた。


 香織とボクにも管制室の一角が割り当てられ、実験開始を見守る。

 さすがの香織も緊張を隠せないようで、ボクの手を握る。

 この実験が成功し、理論が確立されたら、宇宙大航海時代が始まる。

 その時、ボクの隣には―――

 その未来を想像し、香織の手を握り返した。




ハマっちゃって作った曲がこれです。

作者はこんなゆったりした音楽が好みです。


https://suno.com/song/4d63dea7-7c25-42f2-af6c-c71d0b74d7e4


https://suno.com/song/6e759f6d-cccc-4f98-945a-661ab92b2550


AIのURLはこちら。

https://suno.com/

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