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第46話 魔剣祭19

「てめえ、ぶっ殺してやる」


いかにもモブが吐きそうなセリフを吐いたグランデールを横に俺は座ったまま、その光景を眺めている。

観客席を見ると、この光景を楽しむ者、批判する者多種多様な反応をしていて実に興味深い。

その中でも仮面を着用した俺の正体を知っている学園長とセレアは正反対の反応を示している。

学園長はニヤニヤとこちらを見つめており、セレアは手を頭に乗せ呆れたような表情を見せている。

一応、アルシナ国王も俺の正体を娘であるセレアから聞いているはずだが、彼は特に怒ったような様子はなく、じっとこの光景を眺めているようだ。


さて、ずっとこのままでも良いが時間を掛けすぎても大会運営に迷惑が掛かってしまう。


俺は立ち上がりグランデールの元へ歩き、純金で出来た剣を奪い取りそのまま剣の側面で頭を攻撃する。

いくら側面と言ってもこの剣はかなり重く硬い。

俺としてはポンと軽く叩いたつもりだったが以外にもグランデールは頭から血が噴き出しそのまま気絶してしまった。



救護班が駆けつけて来て、グランデールをタンカーに乗せそのまま救護室へ運んで行った。


「え、えっと、勝者カリス・エリック選手」


実況の人が戸惑ったような声色で勝利宣言をした。


俺はそのまま控室に戻る。



控室にいると大会運営の人に呼び出され、とある手紙を渡された。



——————————————————————————

貴賓室でお待ちしています。  


              アルシナ・セレア

——————————————————————————





俺はおとなしく手紙に書かれてあるように貴賓室へと向かう。

貴賓室へと連なる廊下は俺達選手の控室がある廊下と違い、赤色のカーペットが敷かれてある。


貴賓室の扉の前に到着し、コンコンとノックをする。


すぐに「どうぞ」という返事が返ってきたため俺は扉をゆっくりと開き中に入る。


「お待ちしておりました。」


透き通るような声で俺を歓迎してくれたのは手紙の送り主であるセレアだった。


俺は流れるままにセレアの対面にあるソファーに座り用件を聞く。


「先ほどの試合、あれ何ですか?」


「何とは?普通の試合だが」


セレアは王族であるため本来ならば敬語を使わなければならないが、俺は彼女と出会った当初から色々あり敬語を使っていない。

セレアから注意を受けたら敬語を使うが、セレアも敬語を使わないことを承諾してくれている・・・はずだ。(何も言ってこないし)


「私には普通の試合には見えませんでした。」


「と、言うと」


「魔剣祭は騎士道精神を重んじます。先ほどの試合には騎士道精神を欠片も感じませんでした。」


「そう言われても、俺は騎士じゃないからな。騎士道精神なんて持ってない」


屁理屈を言う俺に少し呆れたセレアだが、あまり怒っているようには感じない。


「まあ、そうですよね。初対面の私を騙したあなたが騎士道精神を持っているなんて思っていませんでした」


セレアはまだ騙されたことを根に持っているらしい。


「で、それを言いに俺を呼んだのか?」


「はい。あなたが騎士道精神に反した試合をしたせいで多方面から主催である私たちに苦情が来ているからその後始末が大変という話をしたかったのでお呼びしました。」


「申し訳ありませんでした!!!」


俺は首が折れるのではないかと思うほど勢いよく頭を下げた。

あの試合をすることによりセレアや運営の人に掛かるしわ寄せの事を考えていなかった。

復讐のためとはいえ他人に迷惑をかけるのは良くない。


俺の根性の謝罪にセレアは戸惑ったのか「頭を上げてください」と焦ったように言った。


「勿論冗談ですよ。確かにグランデール家やアルディア学園、それに近い貴族の方たちから苦情が来ていることは事実ですが、無視すれば良いだけの事です。」


「本当か?」


「本当です。それとも、私が貸し一つと言えば納得しますか?」


正直王族に借りを作るのは面倒だが、それでなければ俺が納得しない。


「ああ、貸し一つで頼む」


俺の返答が予想外だったのかセレアはまたしても驚いた表情を見せる。


「意外でした。あなたは自分さえ良ければそれでいいと思うような性格だと思っていました」


確かにその節はあるがそこまで薄情ではない。

それに、仮にも俺は世界最強の魔術師だ。それ相応にプライドだって持ち合わせている。


「分かりました。では貸し一つという事でお願いします。」


「で、本題と言うのは?」


そう言うとセリアは深刻そうに言葉を紡ぐ。


「どうやらアルディア学園は不正を行っているようです。」


「不正とは具体的に何をやってるんだ?」


「具体的には違法魔道具を用いて筋力増強、武器の強化・・・etc。」


「そうか?俺がさっき戦ったグランデールは不正をしていたにしては弱かったぞ」


「それは、あなたが強すぎるのと彼が弱かっただけです。これを見てください」


セリアは俺にガラスを素材とした魔道具を渡してきた。


その魔道具には現在の試合が映し出されている。

対戦カードはアルディア学園と剣士学園 。

見た感じ剣の技術、足運び、対人戦等経験のどれもが剣士学園の生徒が一枚上手に感じるが、なぜかアルディア学園の生徒の方が押している。








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