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第43話 魔剣祭16

国王は意地でも敗北を宣言しない。


「どうしたものか?」


俺の勝利条件は国王に敗北と宣言させること。

それともう一つ、国王を殺すこと。

後者は論外として前者も容易ではない。

取り敢えずは諦めてくれるのを辛抱強く待とう。

幸いにも、俺の魔力は無限にある。



国王は満身創痍の状態で魔剣を振りかざす。

流石に最初のキレはないが、それでも当たれば致命傷になる。

俺はその攻撃を容易に避けながら国王が諦めてくれるのを待つ。


10分20分と時間が経過し国王の体力はそこを尽きている。

だか、まだ諦めない。

俺は仕方なく軽めに魔法を放つ。

魔法は国王に直撃し、ダメージを与えた。

かなり威力を抑えて放ったが、疲労が溜まっている国王には大ダメージだ。


俺が2発目を放とうとしたその時、「勝負ありです」と言う声がこの空間に響き渡る。


背後を見ると俺やシエラと同じ年齢くらいの少女が怒ったように立っていた。


「お父様、この勝負は彼の勝ちです」


「待て、俺はまだ敗北を宣言していない」


「確かに敗北を宣言していませんが、お父様では彼に勝てません。それとも、彼が自ら敗北を宣言して得た勝利で満足ですか?」


国王はその少女の言葉に反論できない。


「分かった、認めよう。私の負けだ」


こうして、俺は無事に勝利する事が出来た。




現在俺は、国王に回復魔法をかけ、国王が少女に説教されている光景をただだ見ている。


「お父様はいつもいつも、無理をしすぎです。この国の王と言うことを忘れないで下さい」


「けど、強者を見ると血が騒ぐと言いますか、男にしか分からないこともある。そうだろ、ノア」


この気まずい状況の中、国王は俺に話を振ってきた。

その言葉には助けてくれと言う感情がこもっている。

だが、俺には国王を助ける義理はない。

何なら、この状況は国王の自業自得だ。



「生憎、俺には分からないですね。俺が国王の立場なら、勝てないと分かれば敗北を宣言していました。」


「ほら、普通の男性はお父様のように血の気が多いわけではありません。とにかく、今後はこのような事をしないで下さい。」



こうして、少女の説教は終わった。

国王は俺と戦っている時の覇気が嘘だったかのようになくなっており、まるで怒られた後の子供のようにしょんぼりしている。


取り敢えず俺はレイン、ロイドと合流する。


「待ってください」


その場を去ろうとした時、その少女によって足を止められた。


「あなたに頼みがあります。」


少女の表情からその話が深刻な問題と言うことだけが伝わってくる。


「断る!」


どれだけ深刻な問題であろうと恐らく俺には関係ない。

これ以上、面倒事を増やさないで頂きたい。


「話だけでも…」


「断る!」


ここは強気に出たほうが良いと判断し、断固として少女の頼みを断る。

だか、少女も引き下がろうとしない。



俺は深いため息をつく。


「話を聞くだけだからな」


そう言うと、少女の表情は少し明るくなった気がした。


「何処から話しましょうか?まずは自己紹介からですかね?私の名前はアルシナ・セレア。そこでしょぼくれている国王の娘です。」


やはりと言うべきか、この少女は国王の娘であった。

引き下がらない諦めの悪い性格は父親譲りだな。


「ちなみに、あなたのお名前は?」


「俺はノア・ルクレア。よろしく。」


「ノアさんですね。よろしくお願いします。それで本題ですが、ノアさん、魔剣祭に出場して下さい。」


そう言って深く頭を下げる少女。

王族が頭を下げると言うことは、国を捧げる覚悟があると言うこと。

それがこの世界での王族のあり方だ。

それほど、切羽詰まっていると言うことか。


「悪い、生憎俺は出場権を持っていない。」


「はい、それは分かってます。出場者の顔と名前は把握していますから。」


魔剣祭はアルシナ帝国主催で行われているため、出場選手の情報をこの少女が知っていてもなんら不思議ではない。


「一応、俺を魔剣祭に出場させたい理由を教えてくれるか?」


「分かりました。」


そうしてセレアは語り出した。



セレアの話をまとめると大体こんな感じだ。


魔剣祭出場校の内の1校、アルディア学園という学園はかなりの権力を持っているらしい。

それも、一つの国に匹敵するほどの。

その理由としてアルディア学園は生徒の約90%が貴族で構成されている。

よってアルディア学園は一つの国に匹敵する権力を保持している。


で、そのアルディア学園とそこでしょぼくれている国王が一つの賭けをした。


賭けの内容は今年の魔剣祭でアルディア学園の生徒が優勝すれば、アルシナ帝国の領土を全てアルディア学園の領土に入れるというものだ。


逆に、アルディア学園の生徒が魔剣祭で優勝することが出来なかったらアルディア学園で保管されているアスラ・レメディウムというアーティファクトをアルシナ帝国に譲るというものだ。


アーティファクトと言うのは簡単に言えば魔道具の上位互換。

古代から存在していてその製法は誰にもわからない。


今回賭けの対象となっているアーティファクト、アスラ・レメディウムはどんな状態異常でも直せる効果を持っている。











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