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第41話 魔剣祭14

その後も3人で市場を見て回り前方から黄金に輝く鎧に黄金の剣を腰に携えた男が歩いてくる。

その男は周囲の人間を払いのけるように歩き、まるで暴君の様にふるまっている。


「邪魔だ。俺の前に立つな」


男の前方にいたレインが吹き飛ばされた。


「何するんだ!」


ロイドがその男を威嚇する。


「俺の前に立つのが悪い。それよりも、お前ら魔術師か。通りで、勢いよく吹き飛んだわけだ。」


高らかに笑うその男に周囲の目が集まる。



ロイドは怒り任せに魔術を発動しようとしたが俺はそれを止める。


「待て、魔術を放つと俺たちの立場が悪くなるだけだ。」


「でも、言われっぱなしは癪に障る」


ロイドの怒りは収まらない。

どおしたものか?



そんなことを考えていると助け船がやってきた。


「そこ、何をしてる!!」


そう叫びながら走ってきたのはこの国を守る警備隊。

市民からはガーディアンと呼ばれ親しまれている。


「あ?こいつが俺にぶつかって勝手に吹っ飛んだだけだ。魔術師だから体幹が無くて困るぜ」


ゲラゲラと笑いながらその男はレインを馬鹿にする。


「とりあえず話を聞くからついてこい」


そう言ってガーディアンは男の手首を握ろうとしたが、男はガーディアンを殴り倒した。


「触るな。この純金で出来た鎧に汚れが付くだろ。それに、俺を誰だと思ってる。グランデール家の長男だぞ」



グランデール家、この世界でも有数の貴族だ。

その名を出せば、ガーディアン達は彼を抑えることが出来ない。

それほどにグランデール家という家柄は力を持っている。



それよりも気になったことだが、今純金で出来た鎧と言っていなかったか?

本当だったら相当重いだろうによく歩けるな。

まあ、見るからに剣士だし、普段から鍛えているのだろう。



そんなことより、グランデール家の長男という発言のせいでガーディアンの人たちが困っているではないか。



「じゃあ、俺は行くぜ」


そう言って男は歩き出す。



「待て」


その気迫のある声がここら一帯に響き渡り男は少し驚いて歩みを止めた。

その声の主は30~40代くらいの男。

軍服のような服を身にまとい、腰に魔剣を携えている。


「あ?ガーディアンの隊長か?なら、しっかり指導しておけ。目上の人間への礼儀を」


「その必要はない。彼らはしっかりと働いている。」


「うるせーな。俺はグランデール家の長男だぞ。時期グランデール家の当主、この意味わかるか?」


間接的な脅しに男は屈するかと思いきやさらに強く出る。


「家柄なんてどうだっていい。まずは、この少年と周囲の人に謝罪しろ」


「これだから馬鹿は困るぜ」


そう言いながら男は鞘から剣を抜き出し、構える。

その純金の剣が光を反射し、自分の地位を周囲に見せつけているようだ。

対した男もため息を付きながら魔剣を取り出す。



次の瞬間、男が持っていた純金の剣は2つに切断され鎧も綺麗に破壊された。

早すぎる。

剣を鞘から取り出し攻撃に移るまで0.1秒にも満たなかった。

並みの剣士なら、視認することも出来ない速さ。


男は無傷のまま気絶した。


「とりあえず、この男を運んでくれるか?」


「は、はい。」


男の指示でガーディアンはテキパキと行動する。



男は一呼吸おいて俺たちの元へ近づいてきた。

先ほどまでの覇気を全く感じない。

俺たちを怖がらせないための配慮かそれともこっちが素なのか。


「悪いね、ああいう輩にはしっかりと罰を与えるから。それより、君ケガしてない?」


男はレインの様態を確認する。


「大丈夫です」


「それは良かった。それで、君たちどこの学校何だい?」


「魔法学院です」


「なるほど、という事は魔剣祭に出場するのかい?」


「いや、僕たちは友人の応援をしに来ました」


男は俺の方を見て少し不思議そうな顔をした。

実力がばれたか?・・・まさかな。


「そうか、それよりもお詫びをさせてくれないか?この国での不祥事は私の責任だ」



そう言われ、俺たちはその男に連れられ、ある場所に到着した。


「で、でけぇ」


ロイドとレインはその建物に圧倒されている。

出会った時から予想はしていたが、男の正体はおそらくこの国の国王だ。

事前情報としてアルシナ帝国の国王が魔剣使いだという事は聞いていた。

それに加え、グランデール家という名前にも臆さなかった。

これらの事から国王ではないかと予想はしていたが、本当に国王だったとは。


「さあ、入ってくれ」


男に案内されるがまま城の中に入る。

城の中には使用人がたくさんいて、俺たちが通るたびに頭を下げてくる。

なれない状況に少し違和感を覚える自分がいる。


男に案内されたのは長いテーブルがある部屋だった。


「お詫びとして食事を振舞いたいのだが、いいかい?」



そんな流れで現在、国王含めた4人で楽しく昼食を取っている。

国王の人柄もあり、レインとロイドはあまり緊張していないようだ。

何なら、ロイドに至っては敬語を使わなくなった。

国王は笑って許してくれているが、周囲にいる使用人の顔色がだんだん青ざめていくのが分かる。


この国王の名前はアルシナ・ドラリス。32代目アルシナ帝国国王。

魔剣士としての実力も確かで魔術師で言うところの王級魔術師。

学院にいる先生よりも強い。

何なら、ザトム軍の軍隊超と張り合えるレベルだ。





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