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第19話 魔物討伐8

「ねえ、ノア」


俺の名前を呼ぶシエラの声は明らかに震えている。


なんせ、目の前にいる魔族の魔力が3倍、いや4倍以上になり俺の防御魔法で守っていなければシエラは今頃魔力の圧で死んでいるほどの魔力が周辺に広がっている。

これが命を代償にした魔法。

命を代償にしただけあって一時的ではあるがあまり強くない魔族でも手加減した俺と同程度の実力を手にすることが出来る。


「安心しろ、あんな奴に俺は負けない」


俺はシエラを落ち着かせるために一言声を掛けた。

魔族の方を見ると先ほどいた場所には姿がない。


「上か」


制限開放して魔力だけではなく身体能力も向上したのだろう。

気が付けば俺たちの頭上にいる。


「気づくのがおせーよ」


魔族はそう言った途端かなりの魔力を載せて斬撃を放ってきた。


俺はそれをいともたやすく防御魔法で防ぐ。


「は?これも防ぐだと!!」


「おい、もう夜も遅いしそろそろ終わりにしてやるよ」


挑発の意味も込めてそう宣言し俺はこの魔族に火球ファイヤーボールを放った。

魔族はそれを容易くよける。


「はは、防御魔法だけかよ。制限開放する必要もなかったな。」


魔族が俺の攻撃を避けきったと油断した途端火球が魔族の背中を貫いた。


「悪いな、今回はお前の性格を加味して速度ではなく追尾性能に重きを置いた。結果お前は読み通り油断して特別早くない俺の火球に当たったというわけだ。確かにお前ら魔族は俺たち人間よりも数段強い。だがその強さのせいで油断し、格下の人間にも負けたりする。結局お前ら魔族は少し知能が高い魔物と一緒だ。」


俺がそういい終えると魔族が息を引き取った。

魔族がアンデッドにならないように遺体を燃やし拠点に帰ることにする。


「シエラ、少しは勉強になったか?」


「そうね、目で追うのではなく魔力で見るということは分かったわ。でもさすがにあなたの防御魔法とあの火球はマネできる気がしないわね」


シエラは苦笑いしながら答えた。

まあ、防御魔法に限っては今のシエラでは魔力量的に無理だな。

だが、3年間訓練すれば無理という話ではなくなる。

それよりも俺が今回の戦闘で一番話したかったことを伝えることにする。


「シエラ、俺の防御魔法やさっきの戦闘で見せた火球は一つの手段に過ぎない。魔術師に必要なのは洞察力だと俺は思う。」


「洞察力?」


「相手を見て癖や弱点を瞬時に見つけそれに適した魔法を使えば格上の相手であっても勝利することが出来る。だから、これからは相手をしっかり観察する癖をつけるんだな。」


俺が一つアドバイスを送るとシエラは深く頷いた。


「魔族の遺体の処理も終わったことだしとりあえず帰るか」


そういって俺はシエラを連れて仮拠点に転移した。



仮拠点への転移が完了し俺はシエラに一つ頼みごとをする。


「シエラ、魔族が出たことはまだ誰にも話さないでくれるか。もちろん軍隊長にも」


「なんで?あと4年後には魔王軍が侵攻してくるんでしょ。一刻も早く対策しておいた方が良いと思うんだけど」


「まあそうなんだが、どう説明するつもりだ?」


「それは、起きたことをそのまま、、、」


シエラはその事実に気が付いたのか発言をやめた。

そうだ起きたことをそのまま話すということは俺の実力がばれてしまうことになる。

かといって2人で協力して魔族を倒しましたなんて言っても信じてもらえないだろう。


「でも、人類の存続が掛かっているのよ。」


「分かってる。でも、やっと友人が手に入るんだ、魔王軍のことは俺が責任をもって何とかするから頼む」


シエラは少し考え込むように難しい顔をする。


「分かったわ。もちろん私も協力するからそのつもりでいてね。」


「ああ、そのつもりだ。4年後俺と一緒に戦ってくれ」


「もちろん」


そういって俺とシエラは握手を交わした。


「まあ、卒業までにあの魔族以上に強くなってもらわないと困るんだがな」


「任せなさい」


シエラはいつにもなく自信に満ち溢れていた。


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