8 俺の魔力
ミクの魔力庫を10分割した
おはよう、ミク。
『おはようございます。マスター』
俺が寝てる間に、変わったことは無かったか?
『はい。マスター。 私の魔力庫の分割の際に、指定のあった通常の魔力が魔力庫5つに収まりきらなかったため、その収まりきらなかった分の魔力を濃縮し、濃縮庫に分配いたしました』
そうか、わかった。俺のミスだな、ただ余らせて消えてしまう事にならなくて良かったな。
現状、ミクの魔力は有限だ。莫大な量はあるがな。
あぁ、魔力の話で思いついたんだが、俺の魔力量をミクが調べる事は出来るのか?
『はい。通常であれば、現在のようにマスターに直接触れている時には可能です』
そうか、じゃあ、早速頼む。
『了解しました。マスター。 マスター、現在マスターは胎内で細胞単位での成長中なので、現在の魔力量は不安定です。最大値については現状ゼロです』
そうか。 ん?最大値が0なのに、魔力量が不安定とはどういう事なんだ?
『はい。マスター。 可能性としては、母体の魔力がマスターに流れ込んでいく中で、マスターの魔力最大値が0の為、そのまま魔力が母体へと流れ戻っている状態です。魔力の動きを視るにその可能性が大きいと思われます』
成程な、多分、ミクの見立ては正しいのだろう。
ミク、その母体の魔力が俺に流れ込んだ瞬間に、その分をお前に移すことは可能か?
『現在判断材料が少ない為、お答え出来かねます』
そうか。ならば、じゃあ、次の機会にでも試してみてくれ。予備の魔力庫の内の1つを移送?
でいいのかな、移送先に設定してくれ。
『了解いたしました。準備に入り、作業が可能になれば実施します』
あぁ。頼む。
『マスター。魔力の移送。無事完了しました』
お。出来たか。 じゃあ、次に、俺に流れ込んだ瞬間ではなく、俺から流れ出た瞬間も試してくれ。
『了解です。マスター』
俺に入ってきた魔力を取り出すのは、もしその魔力が俺の胎児としての成長に必要だった場合。何かあると後が怖いからな。出来るだけ自然な状態での成長をしたいところだ。
『マスター。作業無事完了致しました』
そうか、このタイミングで母親の陣痛が始まるまでは今後も続けてくれ。
『了解です。マスター』
あぁ、そういえば、言語の収集・データ保管・解析を今後も別命あるまで継続してくれ。
後は解析を続けていくうちに、何か気になることがあったら報告してくれな。
『了解しました。任務の更新をしました。』
じゃあ、また寝るからな。おやすみー
『おやすみなさいませ。マスター』