4 魔石を手にした胎内で
転生特典の最初の1個の魔石いただきました
俺は転生特典の従者の魔石を手にし、母の胎内で情報収集することにした。
「なんか周りの声はなんとなく聞こえてくるけど、くぐもって聞こえてるしその上何言ってるかさっぱり分からん」
まぁ、一旦保留しよっ。
それ以外かぁ・・。
よくある異世界転生ものの序盤のストーリーでは、魔力操作の訓練は早い方が良いみたいな事を言ってるが、どうしようかなぁ・・・。
いや、ちょっと待てよ?もしこのまま母体の中で訓練してて暴発しでもしたら、俺はせっかく転生出来そうだったところで、産まれる事もないまま人生を終わらせてしまうのではないか!?
ならば、産まれるまでの間は情報収集だけした方が良いのではないかと結論を出した。
そこでちょっと考える。
「なぁ、魔石に宿りし従者よ」
『はい、マスター。お呼びですか?』
おぉ!ちゃんと返事した!!
『従者ですから』
おっと、考えただけでも伝わるのか!?これはスゴイ。
神様、あなたはとってもいい仕事が出来るのですね。産まれる前ですが、感謝の祈りを捧げます。
なぁ、まだ産まれるまでには時間がありそうだから、色々一緒に考えようぜ?
『了解です。マスター』
ではまず。考えているだけで意思疎通が出来るのは何でだ?
『不明です』
即答だし、分からないのかよw
『その通りです』
いやいや、お前は超高性能なのに、なんで意思疎通が出来る理由が分かんないんだよ!?
『能力的に意思疎通が出来そうなのに、出来る理由が不明という答えをお伝えした理由ですか?』
ああ、そうだよ
『それは、マスターの前前世と前世の事象に関しては、どのような事にもお答えすることが出来ますが、今世に於いては情報が何もない為、不明であることをお伝え致しました』
えぇっと。うん、成程。
分かりやすく言うと、転生前までに関しちゃ超ハイスペックAIみたいなものだけど、今世に関しちゃ産まれたての赤子同然で、何にも知らないってことか。
『その理解で、問題ございません』
そうかぁ。そうなのかぁ・・・。いきなり詰まってしまったなぁ・・・。
情報を集めようにも母体の周囲の声や音は理解できないし、この従者も何も分からないときたか。
どうしようかなぁ・・とりあえず・・・寝るわ。 おやすみ~
『おやすみなさいませ。マスター』