風のウルトラマンって誰?
ウルトラマンシリーズには色々な能力を持った戦士たちがいます。
風属性で一番ふさわしいのは誰でしょう。
その森では黄色い棗の花が咲いていて、甘い匂いが漂よわせていた。
小さなタヌキくんと、頭に王冠のようなものを乗せた白いおサルさんがいる。
二人の間にあるお皿には、わらび餅が乗っている。
皿の横には湯気のあがる湯呑も置かれていた。
どちらも魔法の鏡を持って、別の世界の『動画サイト』を映し出している。
「子狸くん、おいらはウルトラマンR/Bを見てて気になったことがあるのよ」
「白猿さん。ルーブって、ウルトラマンロッソさんとウルトラマンブルさんの兄弟が活躍するやつだよね」
「そうそう。で、歴代のウルトラ戦士のクリスタルを使って、能力が変わるんだよ」
「んとね。たしか、クリスタルには火・水・風・土の属性があるの」
子狸くんは自分の鏡にウルトラマンロッソとブルの姿を表示させた。
「タロウクリスタルで火の属性になるのはわかる。でも、ウルトラマンギンガが水っておかしくねえか? 水っていやぁ、ウルトラマンアグルだろ」
「んとね。ギンガさんは天の川だから水なの。ウルトラマンギンガSの組み合わせだと、ギンガさんが水、ビクトリーさんが土、タロウさんが火になるの。もしもウルトラマンガイアの組み合わせだと大地のガイアさんが土、海のアグルさんが水になるかも」
「一番わかんねぇのは、ティガクリスタルで風になることだな。ウルトラマンティガって風だっけ」
「んとね。クリスタルを使う時に『紫電の疾風』って言ってるの。ティガさんのスカイタイプの属性なの」
「そこが引っかかるんだよ。パワータイプとスカイタイプの力は、ティガの第一話で破壊された2体の巨人像からもらったものなんだ。元々はティガダークが光の力を受けてるから、本来のティガの属性は光と闇だと思うぜ」
「んとね。縄文時代が舞台の『ティガ外伝』でもマルチタイプなの。だから、風でもいいと思うの」
「おいら、風神の子だからどうしても気になっちゃうんだよね。他にも風属性っているだろ。ウルトラマンフーマとかウルトラマンリブットとか」
「んとね。そのふたりはルーブのときはまだ見習いだったからクリスタルがなかったのかも。んとね、僕は新マンさんとかゼロさんも風みたいなイメージがあるの」
「どうだろ。そのふたりの風のイメージって、本人じゃなくてアイテムの方だと思うぜ。他にも風属性のウルトラマンがいるでしょ。こういう感じのが」
白猿さんは鏡に画像をだした。
「花鳥風月? もしかしてコスモスさんかな。花と風と月はわかるけど、鳥はなんだろう。コスモスさんのお友達に鳥型怪獣がいるの」
「コスモスの決めポーズが『水鳥の型』だろ。で、コスモスが元祖の風属性なんだよ」
「んとね。コスモスさんの風だと『癒しのパワー』になっちゃうの。ルーブの兄弟がそれを使うと変かも」
「兄弟が『癒し』を持つと、妹のグリージョの出番がなくなるわな。そういう『大人の事情』でティガが風属性になったのかもな」
白猿さんと子狸さんはそれぞれの鏡を操作して、ウルトラマンシリーズのいろいろな動画を観ていた。
「そういえば白猿さん、東南アジアの映画で白猿さんがウルトラマンさんたちと……」
「それは別物。見なかったことにしようぜ」
東南アジアの映画にでてくる『風神の子』はウルトラ戦士の1人……ではありません。