そのはち・みんな自分が飛ばすソフトグライダーには思い入れがある
駄菓子屋さんで売っている発泡スチロールをはめ込んで飛ばすことが出来るソフトグライダー。
値段は一機50円だからそこまで高くはない。
そして手で投げるだけで驚くほど長い距離を飛ばすことができるプロペラの付いた「手投げ式」と、ゴムを利用してスリングショット(パチンコ)のように飛ばして回転を楽しめることができるジェット機の「ゴムとばし式」の2種類が存在する。
ソフトグライダーの組み立てはとても簡単で、翼を差し込むための穴が開いている本体部分に主翼と尾翼を差し込み、本体の先端に重りとしてバランスを調整するプロペラやゴムをひっかける部分を付けるだけ。
手投げグライダーは零戦、疾風、スピットファイアー、メッサーシュミット、ムスタングなどにレシプロの機体で種類も盛りだくさんプロペラが回るのもかっこいい。
ゴムとばし式はジェット機でファントムとか。
でどっちの人気があったかというと種類の多いプロペラの手投げの方。
「おばちゃーん、ゼロ戦ちょーだい」
「ゼロ戦よりムスタングのほうが強いよー」
「へへん、ゼロ戦のほうがかっこいいもん」
これは意外と長く飛ぶので広い場所がないと遊ぶのは難しいが利根川の河川敷は凧揚げも出来るしソフトグライダーを飛ばすのだって出来るほど広い。
「ちっち、わかってないなー
ライトニングこそが最強だよ」
双発双胴のP-38ライトニングはちゃんと構造が再現されていてお値段も一緒。
「あーライトニングもかっこいいよねー」
「いやいや、ださいって」
みんなでわいわいいながら組み立てて一斉に飛ばす。
「それー」
「いけー」
「いくぞー」
ゴム式があんまり人気がないのは種類が少なめなのと引っ掛けたゴムを思いっきり引っ張ってバキッと壊れてしまったりすることも多いからだったり。
グライダーを投げて飛ばすとみんなで走って追いかける。
「あー落ちたぁ」
「うーん、だめかぁ」
「へへ、、僕が一番だー」
そしてみんなが拾い上げるともう一度みなで飛ばすのだ。
「もっかい!」
「今度は負けないー」
「へへーん、次も勝つよー」
こうして疲れきるまでみんなでグライダーを飛ばし疲れたら土の上に横になって休憩し飽きたらみんな家に帰る。
もちろんグライダーは壊れない限りは家に持ってかえるけど結局壊れて書い直しになることも多いんだ。