そのなな・水風船の投げ合いはたのしい
駄菓子屋には色々なお菓子とともに子供が遊ぶためのおもちゃもある。
紙風船、銀玉鉄砲、竹とんぼ、ゴム動力の竹ひごの模型飛行機、ゴムで飛ばすスチロールのソフトグライダー、電車の切符きりセット、爆竹やかんしゃく玉などなど。
その中で夏に人気なのは風船のなかに水を入れてぶつけ合う水玉風船である。
「今日の放課後みんなで水合戦しようぜー」
「あついしいいねー」
「よーしまけないよー」
水合戦は雪合戦の水玉風船版で二チームに分かれて水玉風船を投げあって先jに全員水浸しになったほうが負けというシンプルな遊びである。
駄菓子屋でみんな適当に水玉風船を買うと公園の水道の蛇口にそれの口をはめ込み、抜けないよう手で口を押さえながらコックをひねり少しずつ水を出して、風船が適当な大きさに膨らんだら水玉風船の口を蛇口から外してキュッと結ぶ。
あまり大きくしようとするとこの時に破裂してしまうこともある。
「うわやっちゃった」
「欲張り過ぎだよー」
みんなでわいわいいながら水玉風船を沢山作ってチームごとに陣地に別れたらら水合戦の開始だ。
「うりゃー!」
「うわ!やられたー」
水玉風船をだれかにぶつけて水浸しにするのは楽しいが、水浸しにされたほうもそのおかげで涼しくなるし体に当たっても別に痛くないので当てられてもそんなに嫌な気にならないのが水合戦のいいところである。
やがて水玉風船が尽きると蛇口に駆け寄って新たな風船を膨らまそうとするのだがそこを狙われることが多い。
「補充なんてさせないぞー」
「うわーやられた~」
もちろん公平になるように蛇口はチームの真ん中にする。
皆がびしょ濡れになりながら歓声を上げて水玉風船を投げ合うがそのうち全員がびしょ濡れになってわけがわからなくなってくる。
そしてびしょ濡れで家に帰ると一体何をやっていたのかとお母さんに叱られて早くお風呂に入りなさいとあたたかい風呂に入ってお湯のありがたさを噛みしめるのである。