ついかそのにじゅうきゅう:粉末ジュースとカルピスの味は家によって違うんだよね
粉末ジュースまたは粉ジュースは、駄菓子屋で粉末の状態で販売され、それを水に溶くとジュースになる商品で駄菓子屋では一袋10円で売っている。
このころ家庭で作る飲み物として、ほかにはカルピスや粉末ココア、脱脂粉乳、インスタントコーヒーや昆布茶、ホットレモン、ミルメーク、ミルクセーキ、粉末汁粉も同じカテゴリに入る。
もともと1950年代から1960年代にかけてこれらは人気を博しており、多くのメーカーから販売されていたが、1969年にチクロなどの人工甘味料が食品添加物の指定取り消しにより使用禁止となったためほとんどのメーカーが粉末ジュースから撤退した。
そして冷蔵庫の家庭への普及などで、びんや缶入りの飲料が一般的飲まれるようになると粉末ジュースは駄菓子屋以外では廃れていったが、駄菓子屋ではいまだに大人気である。
春日井製菓の春日井シトロンソーダや松山製菓のフレッシュソーダ、アメリカンコーラ、フルーツジュースのパイン味、グレープ味、イチゴ味、メロン味、オレンジ味は子どもたちに親しまれているのである。
「今日はコーラにしようかな」
雅人が粉末ジュースを一つ手に取ると、博も別のものに手を伸ばした。
「僕はオレンジジュースにしようっと」
ポカリスエットなどのスポーツドリンクの粉末も既に発売されているが、子どもたちは安くて美味しい粉末ジュースを水に溶かして飲んだり、キャンディにふりかけて味わったりするのが好きなのだ。
そしてカルピスもそうだが家庭で出される粉末ジュースは各家庭によって濃かったり薄かったりと出される家ごとで味が違っていたが、それはそれで子どもたちは楽しみなのであった。




