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ついかそのじゅうろく:学校の給食も結構楽しみ、でも食べられない子には地獄

 四時間目の午前の授業が終われば給食の時間だ。


 6人ほどの給食当番は割烹着を着て、配膳室へ向かい、おかずや汁物、パンなどのはいった食缶や食べるための食器類等を取りにいき、配膳のおばちゃんからからそれをもらう。


「あー、今日はカレーかな?」


 雅人と一緒にカレーの入った食缶を運んでいる弥生がうなずく。


「そうみたいね、カレーは美味しいから割りと好き」


「おれもー」


 基本的にはカートのような運ぶためのものはなくて、一人が一つを自分たちの手での手運びで運ぶ、カレーやシチュー、味噌汁などの入った寸胴の食缶は重いので2人1組で各教室まで運ぶ。


 その間に残りの子供は4人一組で机を寄せ集めて準備をする。


 教室の前に、余っている机を移動してその上に運んできた食器や食缶をおくと、給食当番でない子どもたちは前の席のものから並んで、まず鈍い鉛色のアルマイトのお盆や食器、先割れスプーンなどを取り、給食当番から食器の中におかずなどを入れてもらい、自分の机までそれを運ぶ。


 それが全員分行き渡ったらみんなで挨拶。


「いただきます!」


 といって給食開始になり皆が思い思いに食べ始める。


「今日はコッペパンとカレーとクジラの竜田揚げに戦後入りキャベツとミルメークに牛乳かあ、意外と美味しいんだよね、クジラ」


「できればカレーライスのほうがいいと思うけど」


「お米だと重いから無理なんじゃないかな?」


 この頃の給食は「米の飯」はまだ出ておらず、主食はパンで食パンかコッペパンかあげパン、もしくはソフト面か焼きそばで、カレーやシチューはパンにつけて食べるか、そのままスプーンでそれらだけ食べる。


 場所によっては米の飯が出ている場所もあるがこれは地域差があったのだ。


 牛乳はビン牛乳なのだが牛乳が嫌いな子供はそれをいつまでも飲めなかったりするし、瓶だから残ってるのも丸わかり。


 博士が隣の席の女の子に声を掛ける。


「飲めないなら牛乳飲んであげようか?」


「うん、助かる」


 しかしそれを教師がとめる。


「こら、他人の牛乳を飲むなー」


「ええー、牛乳残すぐらいなら僕が飲みたいよー」


「給食は残さないで全部自分で食べるのが大事なんだ」


「ゴメンね、ありがと」


「あ、それじゃミルメーク上げるよ、他所だと三角パックらしいのになんでうちは瓶なんだろうね」


「ありがとう、でもこれなら飲めるね」


 そして全部食べてしまったがまだ足りない子供は……。


「じゃあお変わりしてこよっと」


 おかわりを取りにいく、おかわりは自分でよそり、給食のあまりがなくなってしまえばそこで終わりだ。


 食器を自分たちで返して、


「ごちそうさまでした!」


 と終わりの挨拶をしたら、それを給食当番が配膳室の返すのだが、おカスを食べ残した成都はそれを戻させてもらえず午後の授業のときも給食が乗ったままだったりする。


 さらに牛乳が飲めずに放課後まで残されたりする場合もある。


 好き嫌いはいけないとは言えこれはちょっとやりすぎじゃないだろうかとも思うが、此の時代の先生の年代では子供のときはろくに食べ物がなかった時代もあるのでこれも仕方ないとも思われていたのだ。

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