ついかそのじゅうさん:野球盤遊びも楽しいものだよ
野球盤、それは子供に人気のスポーツの野球を模したボードゲームである。
「よーし今日こそは勝つぞ」
「へへん返り討ちだよー」
これはエポック社が昭和33年(1958年)に発売したあと、年を追うごとに徐々にさまざまな機能が追加されていった。
具体的には野球場の形をしたボードの上に野球のグラウンドがしつらえてあり、球はパチンコ玉のような銀色の金属のたまで、守備側はピッチャーの位置にある装置に装填したあと、バックスクリーンの裏にあるレバーで、投球ができできる。投げられた球は、押し出されて盤上を転がり、ホームベース手前には磁石が仕込まれており、ストレートの他カーブ・シュートを投げ分けられるというものである。
ハンタに攻撃側は、左右どちらかの打席の穴に小さい金属のバットと言われる部品をはめ込んだ後、バットをひねってバネでセットされる構えに入り、球が投げられたらスイッチを押してバットを回転させ、そのタイミングが合えば、球はうち返されて内外野に転がっていく。
そして打球が野手の位置に設けられた穴に落ちればアウトで、穴に落ちることなくフェアゾーン内で打球が止まればヒットとなり、打球が本塁打の穴に入れば当然ホームランとなる。
そしてこの頃追加された機能の代表的なものとして、消える魔球があり、これは漫画『巨人の星』の人気に合わせ、ホームプレート直前にある部分が下がって穴が開くことにより「消える魔球」を再現できるものだ。
当然、消える魔球を使われると、攻撃側は絶対に打てないので、消える魔球は「ボール球」として扱われ打者がバットを振らないで見送ればボールになると定められている。
これは後に「フォークボール」という名称に変わるのが時代を感じさせるのだが。
「えい!」
「おりゃ! あ消える魔球は卑怯だよ!」
「そういうときはバットを振らなきゃいいんだよ」
「そんなのわからないよー」
実施に野球をしようとするなら野球の設備があるグラウンドやバットにたまなどと共に結構な人数が必要でなかなか野球をできる場所は少なくなっていたのだが、野球盤であれば2人いれば家の中でも野球ができるので結構人気であった。
ただし野球盤は安くて3000円から、高価なものは1万円もするのでみんなが持っていて遊べるというものではなかったのだが。
女の子には初代りかちゃんハウスなどが人気で、これも豪華版だと高くてなかなか持っている家は少なかったのだ。




