ついかそのろく:お菓子の王様といえばキャラメルだよね
いつもの放課後、博と雅人はいつもの駄菓子屋に立ち寄っていた。
「なんか今日は甘いものが食べたい気分だな」
「体育で疲れたもんね」
雅人と博は陳列棚に並べられている商品をいろいろ眺めて、それぞれが紙の箱を手にとった。
「やっぱりグリコだよな」
そういうのは雅人。
「やっぱりこういうときは森永のミルクキャラメルだよね」
そういうのは博。
駄菓子屋で売っているものには意外と甘いものは多くないが、その数少ない甘いお菓子の中でもキャラメルは
Pッタ冷凍ケースを開けて中を覗きお菓子の大様と言える存在であった。
「おばちゃん、はい50円」
「はい、50円!」
二人はそれぞれおばちゃんに10円玉を5枚ずつ手渡した。
「はいはい、50円ずつもらったよ」
ちなみにグリコは8粒で50円、森永ミルクキャラメルは10粒50円だがグリコにはオマケがついてくる。
「オマケがある方が断然いいよ」
「ええ? キャラメルが多いほうがいいよ」
キャラメルについては意見が合わない二人であったが、これはキノコとタケノコの戦争がいつまでもお終わらないようなものである。
なお公式にはおまけとは呼ばず、玩具豊部の方が正しく、これは食玩の元祖と言える存在である。
「ん、甘くて美味しい」
「そうだね、やっぱりキャラメルは美味しいよね」
そして雅人はオマケの方の箱を開ける。
「そしてオマケの中身はなにかな、スーパーカーっぽい車だ」
それを見て博士はちょっとうらやましそうにいう。
「あ、ほんとだ」
「ひろくんもグリコにすればよかったのに」
「でも僕が買うと絶対変な形の車とかになるんだよね」
「そういう所は本当にひろくんらしいよね」
そう言って二人は笑いあった。
グリコと森永のどっちがいいかで一瞬いがみ合ってもすぐ仲直りするのも彼らの日常だ。




