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異世界に転生した村人Cは真相を打ち明ける

俺はひとしきりエレナの話を聞き終わると、ふぅーっとため息をついた。

「エレナ、ちょっと一緒に外に出てくれ。」

外に出るとそこには川で洗濯をしている爺ぃの姿があった。

「爺ぃ。今から全ての事の真相を話す。よく聞いてくれ。爺ぃの奥さんが亡くなった原因には、こいつにも、エレナにもあるんだ!」俺はそういうとエレナの方を指さした。

「なんじゃと?」爺ぃは俺の方を横目で見る。

「あの日、爺ぃの奥さんが落ちた落とし穴を掘ったのはエレナなんだ。それに俺は実はベルではないんだ。俺はつい先日まで小島よしおという名前の高校三年生でこんな姿ではなかったし、横須賀という街で暮らしていて、エレナも爺ぃのことも知らないし。多分あの日にマンホールに落ちてしまったから。‥‥‥なぁ、爺ぃ。何か原因はわからないか?」

しばらく思案顔でなにやら考えていた爺ぃはおもむろに口を開いた。

「なぁーにを訳のわからんことをいっておるんじゃ!しかも落とし穴を掘った責任もわしの可愛いエレナに擦り付ける始末!もう堪忍ならん!」爺ぃは右手に持っていた洗濯板を目にも止まらぬ速さで一閃すると、俺の右頬にクリーンヒットさせた。

「バッカーーン!」凄まじい音と共に俺の意識は霧散していった。

「ベルーっ!」薄れゆく意識の中で俺はエレナの叫び声を聞いた。





「う、うーーん。」気がつくと藁でできた見知った天井があった。うん、ここは、あの爺ぃのうちの天井だな。それにしてもここ最近の気を失なう率の異常さよ。このままでは本当に記憶喪失になりかねない。

「ベル、良かったわ!目が覚めたのね!」エレナが嬉しそうに駆け寄ってくる。完全にデジャブだわ。

「本当、うちのおじいちゃんったら手荒なんだから。あっそうそう、ヘーゼル先生はあたしのおじいちゃんなの。ごめんね、隠していた訳じゃないんだけど、ちょっと説明するのが面倒臭くって。そういうことってわかるでしょ。でもあたしからちゃんと説明しておいたから安心して!落とし穴はあたしが掘ったのって。でもベルが急にあんなこと言い出すんですもの。本当あたし、びっくりしちゃった!でも、本当に言ってくれて良かったわ。感謝してる。ベルがもし言ってくれなかったら、ずっとあのまま隠し続けなければならなかったんですものね。そんなの絶対間違ってると思うし、考えただけでもぞっとするわ。ありがとう。でも、そもそもベルが今回のことも自分で責任を負うって言ってこんがらがったんだから、お礼を言うのもおかしいと思うけどやっぱり言うわ。だって、今のあなたは記憶をなくしていて、本当のベルではないんですものね。じゃあ今のあなたは一体なんなのかしら?まさか、やっぱり小島よしおなの?」エレナは思案顔で俺の顔を覗きこんできた。

「そうだよ。やっぱりずっと考えてきたけど俺は小島よしおなんだ。なぁ、エレナ、俺は元の自分に戻りたいと思っているんだ。それにはもっと情報がいる。できる限りのことを教えてくれないか?」俺は元の自分に戻って愛しのつかさに会いたい。

「わかったわ。とりあえず、今は仮定としてあなたは小島よしおということを認めるわ。そうしなければ前に進めないものね。私の知っている限りのことを教えるわね。長くなるから覚悟しておくのよ!」エレナは無事、協力を約束してくれた。

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