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野生のヒロイン

二人目です。本当にキャラが濃い友人達に囲まれて、駄作者は幸せです。

 さて、今日は私の親友の二人目についてである。

 


 こちらも外見は私と正反対。人形のように整った顔立ちをして、色白のかわい子ちゃんなのだ。ニックネームは仮にメアちゃんとしよう。

 このメアちゃん、黙っていれば本当にかわいい。大人しく座っていれば本当にかわいい。…とどのつまり、見た目と中身のギャップが大変なのである。

「見た目は美少女!中身は野生動物!その名は~メアちゃんだよぉ~☆」

 本人すらこう言うのだから間違いない。


 具体的に何がすごいのか?それを今から話す。

 ちなみにこれを書くときは、しっかり相手に許可を取っているので安心してほしい。仮名とはいえ、私も勝手に人のことを載せるほどモラルのない非常識人ではないので、そこは理解していただきたい。


 ある冬の日の朝。私はいつものように、一緒に登校しようと信号近くでメアちゃんを待っていた。

 ところが、いつまで待ってもメアちゃんが来ない。休みだろうか?と思ったが、もうしばらく待ってみることにした。

「来ないなぁ…」

 時計を見ると8時10分。そろそろ出発しなければ遅刻してしまう。かわいそうだがメアちゃんのことは諦めて、さっさと行こうと思った時だった。


「んーんんー!んっんー!」(しーんくー!待ってー!)


 声にならない音を上げながら、手を振るそれは走ってきた。

「……!?」

 私はそれを見て、一瞬逃げようかと思った。もしくは愛用のネタ帳を構えて取材しようかと思った。なぜなら走ってきたメアちゃんは、それほどまでに衝撃的なシチュエーションを忠実に再現していたからだ。


 紺色のセーラー服。首に巻いたマフラーをなびかせ、パタパタと走ってくるかわいい少女。その口元には、おいしそうなパンがーー


「ってどこの少女マンガから飛び出してきたんじゃコラァ!」

 思わずそう叫んでしまったが、同時にこれはメアちゃんがやるから()になったのだと思った。

 パンをくわえて走る、寝坊しちゃった美少女。まるで昭和の恋愛もののテンプレートだが、メアちゃんにやらせると、本当にそのうち運命の人にでもぶつかるのではないかと思う自然さだった。


「メアちゃん…悔しいけどなんか似合うよ。でも、ノドに詰まらすと大変だからやめよっか」

そう諭すと、メアちゃんは「似合う」と言われたことを素直に喜んでいた。そういうところがメアちゃんの良さだと思う。でもちゃんと注意が通じたのかは怪しい。

とりあえず待ってるから座ってパン食べなよ、と言いたかったが、私自身も遅刻ギリギリなので、せめて走らせるのをやめさせて早歩きで学校へ向かった。


 これが本当にあった、メアちゃんのある朝のエピソードである。パンならまだロマンチックだが、公園の木に生えたミカンをもいで食べていたり、最悪の時にはその辺の草をちぎって「これ食べられるかなぁ」とか言っていた。友人総動員で止めた。


 見た目は美少女。中身は野生動物。こんなメアちゃんが、これから先どんな武勇伝を更新してくれるのか、不安であると同時に楽しみである。

 メアちゃんのことを書いていたら、少し思い出したことがあった。私は一度メアちゃん…いやメアくんとデートしたことがある。

 そのときの話を書きたいのはやまやまだが、宿題があるので今日はここまで。

 読んでくれた方に感謝して、今回はここで話を切りたいと思う。




というわけで。次回もよろしくお願いします!

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