春その2
続きです。読んでくれたら嬉しいです(^_^)v
公園には2グループのママ友達がいた。1つはママさんみんなが着飾った子供達も育ちが良いのがすぐ分かるグループともう1つは今にもかんしゃくを起こしそうなママさんとよだれと鼻水が垂れ流しの子供がほとんどのグループだった。2つのグループは公園の同じ砂場で遊んでいるのにまるで国境があるかのように砂場は分割されていた。 まぁ翔太なら前者のグループと遊ぶだろうなと思っていたんだけど。
翔太をベビーカーから降ろし、砂場の前まで一緒に行った。 翔太に砂場セットを渡した。 翔太は一瞬心配そうな顔をしたが、すぐに笑顔になって砂場に入って行った。私は視線を送るママさん達に笑顔で会釈をした。実は内心ビクビクだった。
翔太は始めは一人で遊んでいたが次第にあのよだれと鼻水が垂れ流しの子供達と遊び始めた。私は少し、いや結構驚きながらじゃあこの子供達のママさん達と話そうかなと思った。が、そのママさん達は私をこれでもかというくらい睨み付けていた。 翔太が何かしたかな?と砂場を見るが楽しそうに穴を掘って遊んでいる。 もしかして、私何かやらかしたのかな・・・そもそもきちんと挨拶できてなかったのかな、服もそんな派手じゃないし、翔太も着飾った訳でもないし・・・そう思っていると後ろから、
「チッ」と舌打ちと共にあのおしゃれなママさん達が一斉に帰り始めた。 一体なにがおきたんだろう。半分の砂場で何もなかったかのように遊んでいる翔太達を見ながら唖然としている私に今にもかんしゃくを起こしそうな顔で鼻水小僧達のママさん達が近付いてきた。未だに翔太は穴を掘るのに夢中だ。一人のママさんが今にも泣き出しそうな私と鼻がくっつきそうになるくらい近付いて来て言った。
「合格ね。ようこそ私達のママ友サークルへ。」
その声はかんしゃくを起こしたような荒々しい声ではなく、今までで一番透き通った心地よい声だった。満開に咲いていた桜も、葉桜になってしまった春の中頃の事だった。