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はじまりはじまり②

 圧倒的説明回。

 まだ盛り上がりは全くありませんm(_ _)m

「ぷはぁ~生き返る~!」



 謎の集団を叩きのめした和真は、待ちに待った水を飲んでいた。その和真の周りには、先の集団が皆揃って深々と頭を下げている。



「本当に申し訳ない!この通りだ!まさかこの『魔域』に人間がいるとは思っていなかったのだ!」



 話を聞くと、彼らは『アーリア聖騎士団』の団員らしく、この『魔域』をパトロールしていたらしい。『魔域』とやらには基本的に人間と敵対している『魔族』が徘徊しているらしく、警告に従わなかった和真を魔族だと思ったらしい。



「あ~いいですよ、別に。警告に従わなかった俺も悪かったですし。・・・それに皆さん殴っちゃいましたしね。」



 和真は誤解が解けて、水さえ飲めれば正直どうでもいいと考えている。それに和真の言うとおり、騎士団の面々に手を出しているのも事実である。



「本当にすまなかった。・・・しかし、カズマ殿はお強いな。一体どこの国に所属しているのだね?」



 アーリア聖騎士団第三番隊小隊長『ガラム・イーダ』が興味津々といった顔をしながら聞いてくる。ガラムは45歳と歳は結構いっているが、ガッシリとした身体に、他の団員より長く幅が広い剣『バスターソード』を背負っている姿は歴戦の勇士と言ったところか。



「日本の『無月』ってチームのリーダーやってます。まぁリーダーってもメンバー俺だけですけどね。」


「ふむ、ニホンのムゲツかね?ニホンが国の名でよろしいか?」


「・・・はい?」

(・・・いやいやいや!?今の世の中で『日本』を知らんとか有り得んだろ!?世界最強の武闘国家だぞ!?え、なに?本当に知らねぇの!?)



 顔に出なかったのが奇跡と思えるほど、和真は混乱していた。たしかに『地球』では世界一有名な国になっていた『日本』は、しかし『この世界』では知られているはずもない。



(薄々おかしいとは思っていたが、これは・・・。)



 正直、大分前から違和感に気付いていた和真は、ここに来て現実を見ようと考え始めた。

 ガラム以外の騎士達は野営の準備を始めたらしく忙しそうだったので、ガラムに尋ねることにした。



「あの~・・・ここってどこなんですかね?ちょっと道に迷ったみたいで・・・。」


「ほう、道に迷われたか。それは大変だっただろうに。ここは『ミランディリオン王国』の東に広がる『ルシフェリオン侵略領域』、通称『魔域』と呼ばれる恐ろしい場所ですな。」


(・・・ミランディリオン・・・ルシフェリオン?やべぇ、ついていけそうに無い。というか、ホントに異世界?異世界ってなに?わけがわからねぇ!)



 自分の知っている世界ではないことは理解したが、全く納得出来ていない。

 理屈が通らなければ認められない、和真の基本思考はそれである。が故に、急に異世界だとか言われても、受け入れることが出来ないのだ。



「ガラムさん達はこれからどこに向かうんですか?」



 とりあえず和真は別の部分に意識を逸らすことを選択した。



「これからかね?魔域の見れる範囲は見回ったので、ミランディリオン王国に帰還しようかと考えておるよ。」


「もし良ければ、俺も連れて行って貰えませんか?この近辺で人が住んでるとこって王国なんですよね?」



 突然の和真の頼みに、しかしガラムは笑顔で聞き入れる。



「おお、それは勿論構わないとも。このような危険な場所に同朋を置いていく方が、気が気でないわ。」


「!ありがとうございます!」




 こうして皆と一晩過ごした和真は、一路ミランディリオン王国へと向かっていった。







[ミランディリオン王国:クアラの街]



 ミランディリオン王国東端の街『クアラ』に着いた一行。門はガラム達がいるため素通りだった。

 街に入った和真は、街並みを見て更に異世界であることを認識した。



(石造りの家・・・今の『地球』にそんなもんがあったら、即強盗の餌食になるわ。)



 街は石造りの建物がほとんどであり、魔域に面しているため、かなりの高さの壁が街全体を囲っている。 クアラの街に常駐のアーリア聖騎士団第三番隊はその土地柄か、最も過酷だが最も強い部隊と言われている。



「それじゃあお世話になりました。」


「なぁに、また困ったことがあったらこのガラムを頼ってくだされ。」


「はい、その時はよろしくお願いします。それでは。」



 こうして、騎士団と別れた和真は、街に着くまでの道中にガラム達から聞いた話を思い出していた。



 一つ目は世界情勢。世界情勢とは言うが、和真が知りたかったのは国の名や大まかな地理ぐらいのもので、あとは蛇足に過ぎない。これはいずれ説明する機会があるだろう。

 二つ目に通貨に関して。これはニホンという田舎から出て来た和真には不便だろうと、ガラムの方から教えてくれた。

 全て硬貨でやりとりされているらしく、銅貨・銀貨・金貨・光貨が存在するらしい。銅貨100枚→銀貨1枚、銀貨100枚→金貨1枚、金貨10枚→光貨1枚といった感じだ。大体銅貨5枚あれば1日なんとかなるぐらいらしい。

 三つ目は暦。これは世界共通で『神暦』を使っている。1日24時間、1年360日だとガラムは言っていた。

 そして四つ目。これが最も和真の気を引いた『冒険者』の話。世界中にある冒険者ギルドで登録すれば簡単になれる職業らしく、危険は多いがその分報酬も良いらしい。詳細はギルドで聞けとのこと。


 和真がこの街に来たのは、もはや冒険者になるために他ならない。なにせ和真は今、住所不定無職扱いだ。先行きが不安になるのも仕方がない。



 ということで、早速冒険者ギルドに来た和真。建物は三階建てのようで、敷地の広さはそれなり。中に入ると、思ったよりも明るく清潔感がある。『受付カウンター』と書いてあるので、そこへ向かう。



「すいません。冒険者になりたいんですけど。」


「はい、冒険者登録の方ですね?では、こちらの水晶に両手をかざして頂けますか?」



 ニコニコと愛想のいい笑顔を浮かべた係りの女性が、手元にあるバスケットボール大の無色透明の水晶を出してきた。驚いたことに、この水晶は下の黒い皿のようなモノの上に浮いているではないか。



(なんだこれ。どういう仕組みで浮いてんだ?) 



 不思議に思いながらも、とりあえず手をかざす。すると水晶がボンヤリと光り始め、水晶の中に黒い渦みたいなものが生まれ、そして渦も光も消えて元の状態に戻った。

 その水晶を受付の女性が奥の部屋に持って行き、2・3分するとカードを持ってきた。



「お待たせいたしました。こちらがギルドカードになります。このカードには水晶に宿る神の力で嘘偽りない情報が記載されます。」


「・・・は?神?」


「それではカードの説明をさせていただきます。まず基本情報として、名前・ランクは必ず表記されます。それ以外の称号や技能(スキル)はご自身が望まない限りは他人には見えません。」



 和真のカードには[名前:カズマ・ムトウ、ランク:G、称号:なし、技能:狂化・覇拳]と書かれている。



(狂化?覇拳?まったく見当もつかん。)


「技能・・・は、まぁいいとして、称号ってなんなんですか?」


「称号は神から認定された方に与えられるもので、称号によっては力を与えるものもあるそうです。」


(また出たよ、神・・・。)


「ランクはG~Aとその上にS~SSSが存在します。S~SSSは特別なので例外ですが、基本的には自分のランクより二つ上までの依頼しか受けることが出来ません。ランクはどのランクかによって上がり方が違いますし、こちらの判断で早く上げたり、逆に上げなかったりというのもありますのでご了承ください。依頼を失敗すると違約金が発生しますので注意してください。依頼はどんなものでも結構ですので、月に一つはこなしてください。ノルマが達成されなかった場合、まずは警告、それでも達成されなかった場合は除籍となり二度と冒険者にはなれません・・・まぁ最低月に一つ程度はこなさないと生活も出来ませんけどね。」


「・・・。」



 あまりの圧倒的説明に思わずポカンとしてしまった和真。それでもちゃんと内容は頭に入っているのだが。


実は、この受付嬢も自分のこの説明には自信があり、この説明後のポカンとした表情を見るのを楽しみにしているのだった。



「なにか御質問はございませんか?」


「い、いや、ないです。」


「またご不明な点などございましたら、お気軽に声をお掛けください。それではこれで説明は終了させていただきます。」


「あ、ありがとうございました。・・・あ、そうだ。あなたの名前を伺っても?」



 少し小首を傾げた受付嬢は、言われたことを理解して笑顔で答えた。



「ミリアリア・ラーカスと申します。ミリーとお呼びください。」


「ミリーさんね。俺はカズマだ、これからよろしく。」


「はい、よろしくお願いいたします。カズマ様。」



 深々と頭を下げるミリーに、和真は早速依頼を受ける旨を伝えた。



「どのような依頼がよろしいですか?配達、採取、討伐など色々ございますが、初依頼ですので討伐などの難度の高いものはあまりお勧め出来ませんが・・・。」


「討伐で。」


「は・・・いや、しかし・・・。」


「討伐で。」


「・・・畏まりました。ではこちらの『クルフ街道でのワーウルフ5体討伐依頼』を受付いたします。討伐証明としてワーウルフの牙を回収してください。・・・くれぐれもご注意を。」


 そう言ってミリーはワーウルフが書かれた絵を和真に渡した。



「どうも。・・・クルフ街道ってのは、この街から南だっけ?」


「はい。南門から真っ直ぐ伸びる道がクルフ街道です。」


「ありがとう、それじゃ行ってきます。」


「どうかお気をつけて、行ってらっしゃいませ。」







 和真はまっすぐ南門に向かう。本来の冒険者ならば装備を整えてから依頼に行くものだが、和真はそんなことを考えもせず真っ直ぐクルフ街道に向かう。



「さぁてと、ちゃっちゃと金を稼いで、今晩の宿をとらないとな。」



 初の依頼に心躍らせながら、和真は初依頼に臨む。

 次回からようやく主人公が好き放題暴れ始めます。

 俺TUEEEE要素が入りますが、決して主人公は最強ではありません。


 早く話を進めたくて仕方がない(笑


 キャラとの絡みももっと出していきたいなぁ。

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