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はじまりはじまり①

 今回は触りだけ。

 武藤(むとう) 和真(かずま)は混乱の極みにいた。


(ん~、んん?いや、あり得んだろこれは。どこだよここ。ってか日本にこんな荒野ねぇよ。)


 和真がいた『日本』にはこんな広い荒野は無かったはず。 しかし、現に目の前には広大な荒野。人為的な道のようなものはあるが、現代においてここまで未舗装の道路を探す方が困難である。



(と、とにかく人に道を尋ねよう。そうすりゃとりあえずはなんとかなるはず。人、人、人・・・。)



 人っ子1人いない荒野のド真ん中である。さらには後ろにあったはずの今出てきたばかりの森もなくなっている。



(・・・まぁいい。とりあえず、この道みたいなのに沿って歩きゃあどこかには着くだろう。)



 クヨクヨしていても仕方がないと割り切った和真は道(に見える)に沿って歩き始めた。


 ところが真っ青な空の下、荒野を2時間も歩けば喉が渇いてくるものだ。

 手元に水分はない、どころか食料もない。

 和真は静かに窮地に陥っていた。



 更に歩き続けること3時間。渇きを堪えてフラフラと歩いていた和真の遥か前方に、動く複数の人影が見えた。



(お・・・おお!?人間じゃないのかあれは!やったぁぁぁぁ!!)



 これまでの疲れなど嘘のように凄まじい速度で走り出す。すぐに人影ははっきり見えるようになったのだが・・・。



(ん~?ロングソードに全身鎧?随分時代錯誤な格好した連中だな・・・。)



 15人程のその集団は、皆一様に同じ格好で、同じ紋章を身に着け、旗を掲げている。更には中々に物々しい雰囲気である。

 しかし、そんな空気はなんのその。渇きによってそれどころではない和真は普通に走り寄って声をかけた。



「すんませーん!なにか飲み物分けて貰えませんかー!」



 和真に気付いたその集団は一斉に腰の剣に手をかける。先頭に立つリーダーらしき男が声を上げる。



「そこの男!止まれぃ!」


「あん?」


「その場に止まり、所属と名を名乗れ!」



 全く事情が飲み込めない和真は、テクテク歩きながら近づいていく。



「いや、なにか飲み物を・・・。」


「全員抜刀!!」


「はえ?」



 突如斬りかかってきた男達に、和真は呆然と立ち尽くす。

 まさか飲み物を分けてもらおうとしただけで、斬りかかってくるとは思っていなかったのだ。



「くらえぃ!セリャア!!」



 右上段からの袈裟斬り。

 基本的に和真には、刃物では傷一つ付けられない(・・・・・・・・・)のだが、とりあえず(かわ)す。そこに更に2人斬り込んでくる。



「成敗!!」「魔族がぁ!」


「訳分からん・・・。」


 これを躱すも、次々斬りかかってくる男達。一体どうすればいいのかも分からない和真は、ひとまず全員黙らせることにした。



「はぁ・・・まぁ、死なない程度に相手してやるよ。」



 決着までは1分も掛からなかった。

 地面には14人の男達が呻き声を上げながら横たわっている。その中のリーダーらしき男に声をかける。



「いきなり斬りかかってくるってのはどういう了見か分からんが、とりあえず・・・飲み物持ってないか?」

 ん~これ以上続けると長くなり過ぎるし、でもキリが良いけど短くなるにゃあ。

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