はじまりのはじまり―②
連投です。なぜなら短いから(笑
日々に退屈していた和真は、学校帰りに何気なく寄った本屋で、これまた何気なく買った小説を手に帰路に着いていた。
普段より遠回りして、普段通らない薄暗い公園の中を横切っているときに『ソイツ』は現れた。
初めは、黒いフード付きのロングコートを身に纏ったソレを浮浪者か何かかと思っていた。
しかし、近づくにつれ鼻につく、それなりに嗅ぎ慣れたニオイ・・・血の匂い。
ただし、和真がこれまで嗅いだことがないレベルの血臭。
さらには黒フードの前に横たわる『ヒトのようなモノ』。
和真は知らず震えていた。
突然の非日常に。
突然の危機に。
黒フードが和真に気付き、振り向く。 少し見えた口元は禍々しい笑みに歪んでいる。
その瞬間、和真は駆け出した。
『黒フードに向かって』。
一足飛びで黒フードに接近した和真は顔に向けて右脚で蹴りを放つ。本気なら学校の学生では絶対に反応できない速度で。
ほんの少し体を後ろに傾けるだけで、黒フードは回避する。その間も口元には笑み。
和真は苛つかない。死合い場では冷静さを失ったモノが死ぬことを本能で理解しているから。
和真は止まらない。踏み込み仰け反った状態の胴体目掛けて左脚での後ろ回し蹴り。
―――その瞬間
黒フードが目の前から『消えた』。
実際には和真には反応出来ない速度で移動しただけ。
しかし、和真には理解出来なかった。
(俺に見えないほどの速度で移動できる人間なんて・・・っ!?)
思う和真の左腕に激痛。縦に深い切り傷。
振り向くと黒フードが悠然と立っている。
しかし、武器の類は持っているように見えず、右手の指先から血を垂らしている。
(ま、まさか手刀で切ったのか!?手刀でこれほどまでの傷を!?)
もはや混乱した頭は正常に働いてくれない。
その時、黒フードが声を発した。
「・・・つまらんな。実につまらん。」
黒フードの口元から笑みは消えている。
無意識に和真は問う。
「な・・・んだと?」
「つまらんと言った。素質も素養も十分に有りながら、ぬるま湯のようなセカイで生きている貴様では、俺に一太刀浴びせることすら出来ん。」
悲しみさえ含んだその声は、和真の心を引き裂いた。
「・・・じゃあ」
「ん?」
これを口に出してはならない。
そう考えている頭とは裏腹に、和真は震える声で言葉を紡いでいた。
「じゃあ、どうすればアンタに勝てる・・・どうすればそこまで強くなれるんだよ・・・っ!」
黒フードは答えた。
「『裏』に来い、小僧。貴様は表にいるには惜しい素材だ。今、俺の目の前に横たわるこの男も『裏』の者よ。結果的に俺が勝ったが、この男は貴様の数十倍強かったぞ。もし貴様が命のやり取りをする覚悟が出来たならば、ここに行け。」
黒フードは和真に名刺大の紙を放って渡し、先程のように目の前から消えた。
黒フードが去ってからも、和真は動けずにいた。
和真は震えていた。
口元には歓喜の笑み。
和真は遂に見つけたのだ。己の全力すら届かない『強者』を。
己が命を懸けるに値する場所を。
和真は立ち上がり歩き出した。
紙に書かれた場所に向かって。
戦闘シーン難しすorz
こっからはさらに駆け足になります。早く異世界行きたいお(^q^)
誤字脱字や不満点、疑問点などありましたらドシドシお教えください!
特に改行とかがこんな感じでいいのか分からん!!www