はじまりのはじまり―①
まだ序章なので短めに、駆け足で進めています
武藤 和真が『地球』最強になったのは、つい最近の話だ。
彼が生きているこの地球では、数年前まで深刻な人口減少に悩まされていた。
その原因となったのは、少子高齢化と『新種の疫病』だった。
この疫病は従来のワクチンでは対処できず、また新たなワクチンが完成する目処も立っておらず、自然に沈静化するのを待つばかりであった。
この疫病自体は数年で沈静化する事になるのだが、その影響でかなりの人間が亡くなった。
そこで、疫病に手も足も出なかった各国が考えたのは『病気にかかっても、すぐに元気になれる健康な身体作り』というものであった。
これだけ聞くと「バカじゃねーの?」と思ってしまうが、各国が行ったのは『格闘術習得による、個体の強化』であった。
これにより、人類はかなりの肉体強化が進んだ。
また、格闘技の一般的な普及によって世界中で『格闘大会』が続々と開催されることになる。
そんな時代に和真は生まれた。
それなりに裕福な家庭に生まれ、時代の流れに沿って、世界中に5校のみ建設された『格闘学校』に通うエリート学生、その内の1人だった。
格闘学校は14歳から入学することが可能で、上は40歳まで在学することが出来る。
これは「40歳を過ぎるとカリキュラムに付いていくことが出来ない」という理由からだ。
彼の人生の転機は15歳の時。
正直、自分の意志でなく周りに流されて格闘学校に入学した和真は退屈していた。
学校での成績は勉学も格闘も中の下、しかしこれは彼の本来の実力ではない。
彼は『天災』だった。
少し勉強すればテストは簡単に満点を取れる、少し鍛錬すれば格闘で彼の右に出る者はいない。
それを幼い頃から理解していた和真は『強者』に飢えていた。
そんなある日、和真は出逢った。
いや、出逢ってしまった。
―――『裏』の人間に
和真の生まれた世界や学校などの細かい設定は、また別に設定資料や外伝などで説明します
このままじゃ突っ込みどころ満載なのでf^_^;