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俺の高校3年生  作者:
4/4

3クォーター:試合終了

 日記を朗読する至の声が震える。


「い、いた…ると陽一が、しっかりするまで…俺まだまだ、死んじゃ…いられねぇな……!」


 最後の行を読み終わったとたん、至は片手を顔に覆いかぶせた。

美奈たちは涙を浮かべ、陽一はうつむいて分からなかったが拳を震わせていた。すると、陽一がいきなり至の腕をつかんだ。


「……」

「よう…いち…?」


「俺さ、誠のあの手紙見たとき、何でだろうって…どうして俺たちに何も書いてないんだって。どうして…どうして俺たちの事どうでもいいみたいな死に方すんだって……そう思ってた」


静かな中庭に、陽一の声が響く。


「でも、違ったんだな…何で今まで気づかなかったんだろうな……」


その瞬間、至は我慢しきれなくなったかのように涙を流した。つかんでいる陽一の腕を、逆の手でつかんで、唇をかみ締めて泣いた。


その時、至の耳に聞こえていたらしい。


『何、泣きべそかいてんだよ』


そうやって、冗談っぽく笑う誠の声が――






それから数日が経った。至はいつも通り会社に出勤し、目をこすりながらパソコンに向かっている。隣の机には北島がいた。


「なぁ北島」

「ん?」


それはいつも通りの光景。言葉を交わしながらも仕事からは手を離さない。


「今日の昼飯何?」

「は? そこら辺で食べてくるつもりだけど?」

「じゃぁ一緒に来ないか? おすすめの店があるんだ」


北島の手が止まった。そして目線の先は至の姿。北島の目に映る至は、爽やかだった。


「お前どうかしたのか?」

「何が?」

「雰囲気が変わった」

「…そうかもな」


北島の目が大きくなった。至はそんな北島を横目でちらりと見て苦笑した。


「素直な俺って気持ち悪いだろ」

「気持ち悪すぎだろ…」


そんな北島のその言葉に、至は苦笑した。



お昼に近づいてきた頃。

突然、単調な機械音が鳴り出した。パソコンではない、それはどう聞いても電話の受信音。


「あ、俺のだ」

「電話?」

「いや、メール」


メールなのに電話の呼び出し音とは趣味が悪い。その場にいた皆が思ったはずだ。

至はそんなこと気にもせずメールを確認した。


「……あいつ…」


どうしたんだ、北島がそう言うと、至は黙って携帯を北島に渡した。

不思議に思って北島が見ると、そこには一言書かれていた。


「何だこれ」


そんな北島に、至はにこやかに笑ってみせた。





『件名:あれから10年


 試合終了!


             陽一』





こんにちは。終わりましたぁ。どうでした?

ぜひ感想書いてくださると嬉しいです。

ぱっと思いついたのを書き綴ったのがこの小説で、私的にまとまりがなかったと思ってるんですが…皆さんどう思います?って聞くなって感じですね。

では、失礼いたします。

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