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第一話前編~高校薔薇色ライフを送りたくても人生そんな甘くない~

この物語を全国にいる高校生に捧げます。

僕の名前は新垣龍之介(あらがき りゅうのすけ)。高校一年生だ。


龍之介は祖父が芥川龍之介から取ったらしい。余談だが祖父は小説家だ。芥川龍之介を尊敬している。祖父はいつも「芥川龍之介みたいに有名になってウハウハな人生まっしぐらだウヒャヒャヒャ!」といつも豪語している。売れたためしはないが。


今日から僕は東京都にあるあの有名な慶応高校…のそばにある私立アトランティック高校という一昨年に開校したばかりの高校に通うことになった。


夢にまでみた高校ライフ。僕の胸のドキドキはとまらなかった。


しかし僕はここで嫌な想像をしてしまった。世間的に言ういじめを想像してしまったのだ。


某漫画みたいに「はぁ?」「ハァァ?」「ハァァァァ!?」と連呼する三人組に絡まれる可能性がないとも言い切れなし、ミミズ臭いと言われてボコボコにされる可能性もある。そしてその時最強のリーゼント頭のボクサーは僕には現れない…。僕は谷底に落とされた獅子の気持ちになった。


しかしそうとは限らない!高校と言えばやはり女の子!ネガティブな心はゴミ箱にダストシュート!そして作って見せようMy彼女!僕は谷底から這い上がった獅子の気持ちになった。


僕はウキウキ気分で学校に向かった。


門を通るとクラス分けが書いてある紙が貼られてあるボードがあった。僕は三組だった。


クラスに入ると僕は自分の席を探して座った。


しかし初日は知らない人ばかりだ。いきなり声をかけるのはずうずうしい気がする。そう思った僕は暇つぶしにペン回しをしていた。僕はじっとしているのが苦手だ。不可能と言ったほうが正しい。もし僕の目の前にリモコンしかなかったらリモコンをまじまじと見つめた後、床にたたきつけて二つに折り、中身を見始めるという他人から見たら危ない人と認識される行動をするであろう。


僕はさすがに飽きたのでペンをしまおうとした。しかし手がすべって床に落としてしまった。拾おうとすると目の前に手が出てきた。誰かが拾ってくれたのだ。


「あっ、ありがとうご…」


僕は自然に動きが止まってしまった。犯人が銃突き付けられて「フリーズ!!」って言われた時の気持ちが今ならよくわかる。


拾ってくれたのは不良だった。見た感じ「あの人不良だ!」とすぐわかるくらいのファッションなのだ。

パンチパーマにサングラスをかけ、ブレザーを着ないでワイシャツをズボンからだしていてタバコを吸っていた。だがタバコをよく見るとガチャガチャにある煙だけ出るタバコだった。


「あの、ペンを…。」


すると不良もどきの瀬田川(なぜかワイシャツのポッケにあった名札に書いてあった)はそっと手を差し出してくれた。


(よかった…。話せば分かる人で本当によかった。)


しかし瀬田川はそのペンを口に入れて思いっきり噛んで二つに折ってしまった。


「…」


僕は無言で筆箱にあったすべてのペンを机の上にだした。


「…」


瀬田川の動きが止まった。(そりゃそうだ…)しかし瀬田川は全部口の中に突っ込んだ。そうして奴は一目散にどこかへ走り去ってしまった…。(多分トイレだろう…)


しょうもないことをしている間にチャイムが鳴ってしまった。みんな一斉に自分の席に座った。


僕の薔薇色高校ライフは早くも暗雲しか見えなくなってしまった…。



全国の瀬田川さん、ごめんなさい。

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