平行宇宙編AMラジオ「Amikana & Mika」:第23回「二人でダメージ」
「ここでお知らせがあります」
<何でしょう?>
「ラジオ雑誌『Large O』の売り上げ結果が出ました!」
<嘘?! 出たの?>
「結果は……8月号の圧勝!」
<あああ! やっぱり……。カナさんが100冊買ったせいね>
「まあそうです。で、その場合、どういう約束でしたっけ?」
<……私の……恥ずかしい写真を公開するんでしょ?……>
「それだと誤解が生じるので、もう少し的確に言って下さい」
<……私の……執事ごっこの写真を公開するんでしょ?……>
「どういう『ごっこ』か、もう少し詳細に!」
<え~!>
「ほら! 早く!」
<……イケメン・イケボの若い執事に迫られる、貴族の令嬢ごっこです……>
「よくできました! その証拠写真を公開する予定だったんですが……」
<え?! 何、何?!>
「実は……写真を確認したところ……」
<写ってなかった?!>
「写ってます。バッチリ。ただ……」
<何?!>
「私の演技力が凄過ぎて……本当にミカに迫っているようにしか見えない……」
<へ?>
「やらされてるはずが、喜んでやっているように見えてしまう、という問題が発生しました」
<へ~、そうなんだ>
「そうなんだ、ってどういうこと?」
<いや、酔っぱらってるんで、詳しくは覚えてない……>
「いやいやいや! めっちゃ演技指導してたじゃん! ここで顎を掴めとか、耳に息を吹きかけろとか、胸を……あ、いや……」
<え……まじ?……>
「まじ」
<え……私、貞操、大丈夫?>
「……仮に大丈夫じゃなかったとしても、それは指示したあなたが悪いから!」
<え? ええっ?! まさか……そんなことまで指示を……?>
「……さすがにそれはない」
<ちょっとぉ!>
「で、ひとまず、我々で見てみましょう。これです」
<え?!>
「どう?」
<え……本当に迫られてるじゃん>
「まあね。そういう演技指導だから」
<あと、私、めっちゃ戸惑った顔してるし>
「まあ、そういうのやりたかったんでしょ? なんせ、映画主演の二人だから、演技が迫真よね」
<いや……>
「え?……何で引いてるの?」
<私のこの顔、演技とは思えないんだけど>
「は?」
<ねえ、本当に、私がやらせてるの?>
「そこ?!」
<本当は、酔った私に、アミカナがまじで迫ってるんじゃないの? 寝顔を一時間見るとか言ってたし。で、私が戸惑いながらも受け入れてる……>
「受け入れるな!」
<え?! 受け入れたの?>
「受け入れてない!!……もー、最大の問題は、ミカが何も覚えてないことなのよ!」
<それはごめん……で、公開するの、これ?>
「……まあ、約束なので……」
<え、これ、二人でダメージ食らわない? 『はるかとみちるではありません』じゃないよね?>
「……まあね……」
<え、じゃあ、やめよ!>
「クレーム来るよ」
<いっつも来てるじゃん!>
「一般リスナーからじゃない!……カナさんから……」
<……あー……剃刀か……>
「どうする?」
<……やるか>
「……だね」
<じゃあ、番組のX、見て下さい……以上! 『AMラジオ>
「はるか・アンド」
<みちる』でした!>
<「バイバ~イ!」>
「AMじゃなくてHMだよね?」
<そこはもういいから!……>




