表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/104

   一番ピッチャー、速井急則(はやい きゅうそく)、主にヴォーカル担当。


 大音量で感情をぶつける。真っ直ぐが俺の得意技。伝えたい想いをストレートに伝える。比喩には頼らない。変化球も好みじゃない。ラップのような喋くりは嫌いじゃないが、意味をなさない韻は踏まない。

 一人で歌っていてもつまらない。

 一人でのピッチングは疲れるばかり。

 何の為に野球を始めた? 何の為にバンドを組んだ? 答えはまだ見つからない。

 メンバー募集の張り紙は八枚。確実に出会えたと信じた奴にしか渡さない。ただひたすら待っている。

 足腰を鍛える為、一人きりの投げ込みは意味がある。二時間を超える長丁場にも耐えられる足腰は、生半可な訓練では作れない。投げ込みだけでも意味はない。俺は毎朝晩五キロの走り込みを小三から続けている。それでも足腰に不安が残る。

 一試合を投げ切るには、個人的な体力だけじゃダメだ。野球は最強のピッチャーが一人いれば無敵だという奴もいる。そんなのは嘘だ。一人きりの野球なら、俺は興味を抱かない。

 歌うにも体力がいる。二時間超えのショウが目標だ。水すら飲まずに歌い続けるあの人が憧れ。水分補給なんてせずに歌い続ける体力と喉が必要だ。その為の努力は怠らない。

 一人でも歌えるが、やっぱりどこか味気ない。仲間と共に歌いたい。派手な演奏に包まれたい。

 俺は夢を叶える為のフィールドを探した。

 ロックと野球は繋がっている。俺は野球をしながらロックする。ロックをしながら野球をする。それって最高だろ?

 まずはロックナインを集めなければならない。たった一人では試合も出来ない。俺が目指す音楽も出来やしない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ