4 出会い(後編)
「あの〜、大丈夫ですか?何か怪我されてるみたいですけど…。」
「・・・」
(あれ?聞こえなかったかな?)
「大丈夫ですかー?」
声をかけながら階段を降り、今だ微動だにしない彼らに近づいて行く。
「・・・」
(実はマネキン?
いや、日本語が通じていない可能性もあるな。)
「あ〜。…アーユーオッケー?」
かろうじて覚えていた英会話のフレーズをぎこちなく言いながら、手前にいた騎士の姿をした男性の顔の前で手を振ってみる。
そこで我に返ったのか、騎士さんはハッとした顔をして突然跪き頭を下げた。
少し遅れて後ろにいる魔法使いさんも跪く。
「危ないところを助けて頂きありがとうございました!」
(あ、日本語だ。)
「え?いやいや、何もしていませんよ?
それより、皆さんすごい怪我されてますけど、大丈夫ですか?」
中腰になりつつ、三人を見る。
全身はひどく汚れ、それぞれ肩やら足やらから血を流している。
聖職者さんに至っては様子がおかしい。
「はい!お陰様で命拾い致しました。」
すると、騎士さんがガバっと顔を上げて言った。
「あの!失礼ですが、もしや貴方様は聖女様でいらっしゃいますか?」
「はい?何ですか?」
「聖女様ではありませんか?」
「せいじょさま…?」
騎士さんになぜかもの凄く期待の目を向けられている中、頭を必死に動かして“せいじょ”の文字を漢字に変換した。
(せいじょさまって、……聖女様?)
「いやいやいや、まさか!
聖女様じゃないですよ!喪女様ではあるかもしれませんが…。」
「もじょ?」
「いえ!何でもないです。ごめんなさい。」
自分の発言に気不味く感じてていた時、
「うぅっ…!!」
聖職者さんが口元をおさえ苦しみだした。
どうしても、読み返すたびに書き直してしまうんですよね〜。