2 目覚め(後編)
暗すぎる。
そのせいで、光っているものが近くにあるのか遠くにあるのかがわからない。
どこに壁があるのか、床はこのままちゃんと続いているのかさえもわからない。
なので必然的に、両手は前に出して空中を探りながら、左足を軸に右足を使って床があることを確認しながら、少しずつ少しずつ、慎重に光の方へと進んで行った。
が、意外にも壁や障害物はなく、床もちゃんと続いていたので、思ったよりスムーズに光に近づくことができた。
さっきまではほんの小さな光だったものは、今ではすっかり大きくなり、そこまで壁がないことも、障害物などないこともわかるぐらいになった。
「出口かな?」
眩しくなってきたので、手で光を遮りながら更に近づくと、出口付近に人影らしきものが見えた。
「お?第一夢人発見? すみませーん!」
近づきつつ声をかけてみるが反応がない。
「ちょっとすみませーん!!」
更に近づいて大声で呼んでも全く反応がない。
どうやら見えているのは大柄な人の後ろ姿で、誰か別の人と話をしているようだ。
「すみません!ちょっといいですか?」
軽くキレ気味で話しかけながら、その人の背中を軽く叩こうと触れた瞬間。
『『『グウォォォォォォォォォ!!!!!』』』
(!!!!!!!!!!!!!)
突然雄叫びをあげたその人は、一瞬のうちに真っ白いキラキラした光りに包まれ、空へ吸い込まれるように消えてしまったのだった。