朝の支度②
「顔洗ってきたわね、それじゃあ時間もないのでまきまきで行くからついていらっしゃい」
心配そうな目でローズはうなずく。
「まず、肌がきれいなピチピチ10代に厚塗りの白粉はいらないわ。塗りたくることによって逆に肌が汚く見えちゃうわ。よく眠り必要な栄養をとり化粧水で整え肌を休ませるだけで十分綺麗なお肌よ」
真面目なローズ、メモをとる。
「眉、これは顔の印象を決めるのにとても重要よ。アイラインを濃くいれるより眉を整えることの方が大事だから覚えてらっしゃい。そうね、ローズあなたは将来、王族の一因になるのだから誰からも慕われる優しい女になりなさい。だから眉は細すぎずに濃すぎないややストレート気味のふんわりした優しい顔立ちになるように整えるのがいいわね。今日はあたいがやってあげるから次からは自分でできるよう練習しなさい」
ローズは目をつむる。
「最後に紅よ」
「ちょちょっとお待ちになって。最後ですって?後は紅を塗るだけ?それだけでいいですの?」
「ローズ、あなた学園になんのために来ているのかしら?あたい達は夜会にでも行くのかしら?」
!!!!!!!!!
「あたい達は学園に学びに来ているのよ、時と場合を考えてごらんなさい。フルメイクの化粧なんて必要ないのよ。そういうのは、好きな男とデートする時にでもしなさい」
豆鉄砲をくらった鳩ってこんな顔なのかしら?
ローズは口をあんぐり開けて驚いていた。
「スー・・・」
「ん?」
「あなたの言うとおりですわ。私、勘違いしていました。私は学園に多くの事を学ぶためにきたのです。あなたの言う通りです」
おお、素直なよいこあたいこういう子大好きだわ。
「紅はそうね薄くピンクに色付くくらいで丁度いいわ。それと、縦ロールはやめなさい。時間がかかる割に似合っていないし、いかにもお貴族様って感じがして印象が悪いわ。」
「確かに・・」
ローズは縦ロールに思うことがあったらしく髪にくしをいれはじめた。
「貸しなさい簡単に結ってあげるから」
スーの手直しでローズは宝塚男役から、清楚な乙女に変身した。中身と見た目が合ってなかったのでこれでしっくりくる。もとの素材がいいから十分可愛い。
「さあ、急ぐわよ朝ごはんは大事しっかり食べるわよ」
あたいたちは急いで食堂に向かった。