寮生活
寮生活
ふぅドタバタしたけど無事入学式終わったわ。
エイダンの首席合格者としての新入生代表挨拶カッコよかった。庶民、貴族関係なしに乙女たちはみーんな目がハートになっていたわね。
馬鹿王子が、
「庶民のくせに生意気だな・・・」
って大きなヤジを飛ばしたのは気に食わなかったけど。
「あっあのう」
「はい、!」
「式の際は私の婚約者ルドルフが失礼なことを・・・大変申し訳ありません。本当にお恥ずかしいです。」
「大丈夫ですあれくらい、エイダンもあたいも気にしていませんので」
「でっでも・・・」
一年生は強制的寮生活で主席合格者の特別室を除き、相部屋になる。
学び舎の下では身分などは関係ないという学園の方針で庶民も貴族も相部屋だ。
あたいのルームメイトは、先ほどから深々と謝り続けているローズだ。
「もう、謝るのはお辞めになって下さい」
「ですが・・・」
「だってローズ様はなにも悪いことしてないじゃないですか」
「ですが、未来の妻となる身としまして婚約者の目に余る行動はこちらにも責任があります」
「うーん・・・」
(
なんだか、原作のローズのイメージとは大分違うわね。もしかしてローズって常識のあるいい子なのかしら)
「苦労していそうね・・」
(やばい心の声が漏れちゃった)
「苦労・・・?」
「申し訳ありません失言が・・」
「そう思いますか?」
「えっ?」
「そうなのです、私本当にうんざりしていますの」
「えつ?」
「家同士が決めたこととは言え私・・・」
「えっえっ?」
「殿下がなにかしでかすたびにどうして私が、うううう婚約者だからといってどうして私が責められ、代わりに謝らないとないといけませんの?」
(((((((どどどど、どうした?どうしちゃったのローズ?))))))
「ひく、ううううひくひっく」
(目の前で突然泣き出した少女はあたいが知っているお話の悪役令嬢とはどうやら違うみたい。)
「話しなさいよ」
「えっ?」
「ここは、家でも王城でもない学園の寮、それも女子寮秘密の花園よ。学び舎の下ではみな平等でしょ、寮生活だって学びの一環、つまりあたいとローズは今だけは、平等ってこと!」
「えっと・・」
「大丈夫よ、あたい口は堅いの、あるのでしょ?親にも侍女にも言えないこと。あの馬鹿王子について話しちゃいなさいよ、愚痴なら聞くわ」
「!!!!!!!!!!!!!!!!!」
その晩、ガールズトークというローズの馬鹿王子に対する長年の溜まりに溜まった鬱憤の掃き出しは本当に朝まで続いた。
ローズがいかに苦労しているか分かったわ。
原作では、ローズはスーを敵対して数々の嫌がらせをしてくるけどそれは、馬鹿王子のせいで溜まりに溜まった怒りや悲しみを吐き出す場所がなかったからなのね。(嫌がらせするのはよくないけど。)
あたいとローズはとりあえず、何でも相談できる唯一無二の親友になったわ。ツーとカーよ!!
早速親友ができて学園生活が楽しみだわ。