クラス分け①
王立セイラ学園は、学びの下では皆平等を謳っている。なので親の権力など関係ない。
「どうしてこの僕が庶民なんかと同じクラスなんだ」
(バカ王子がまた叫んでいるよ・・・朝から元気いっぱいだ。)
入試の成績順にクラスは決まる。
成績優秀者から順にAクラス、Bクラス、Cクラス、Dクラスの4クラスだ。
上位クラスになると様々な権利が得られる。特別教室の利用や、海外留学、特別授業の受講、学園の代表として貴賓の集まるパーティーへの出席・・色々と美味しい思いができる。
学びの下では平等とはいえ、幼い頃から家庭教師に付きっきりで勉強を教え込まれた貴族階級や裕福な家庭の子が上位クラスをしめる。頑張って勉強したとはいえ、最初のスタートは同じとは言えない。 必然と下位クラスは庶民が多くなる。
それにしても・・
王族の第三王子は大丈夫なのか?
一応王族なんだよな?
しっかりと教育受けたはずじゃないのか?
家庭教師だってきっと優秀な者がついたに違い無いだろ。
「だから、どうしてこの僕が・・」
「やめないか!みっともない。」
「にっ兄様・・」
(あっあのお方は確か第二王子のコメット様)
「クラス編成は成績順で皆平等だ。下位クラスになったのは己が恵まれているということに胡座をかき努力を怠ったからだ。身を弁え反省し精進しろ。」
「しかし、兄様・・」
「王族だからというのは奢りだ。嫌ならば王宮に帰り家庭教師でもつけてもらえ。お前の我が儘に付き合ってくれる者を探すのは至難の業だろうがな。」
「・・・下賤の腹の子のくせに」
(下賤?)
「コメット様のお母様は側室のアリス様の子で、第一王子のヴィクセン様とルドルフとは腹違いなんだ。」
「腹違いねぇ」
(末っ子とはいえ甘やかされすぎなんじゃないの?この国大丈夫か・・・)
「行こう、コメット様がいれば大丈夫だ。ルドは昔からコメット様には敵わないんだ。」
俺たちは教室に行くことにした。