真相
コンビニから戻ると私は糸成の家に向かった。多分、糸成も部活が終わって家に帰ってくる頃だ。
糸成のお母さんが快く迎えてくれた。
糸成の部屋に向かうと糸成は机で勉強していた。
糸成はこちらを見ずに言った。眼鏡のレンズが光る。糸成は勉強するときや授業中眼鏡をかけるのだ。
「やあ、菜乃花じゃないか。」
「お邪魔します。糸成、今朝のことなんだけど、糸成は糸成と間違えられた子、知らない子だって言ってたけど実は知ってる子なんじゃない?」
すると机に向かっていた糸成がピクリと反応して、聞いてきた。
「だとしたら?」
「別に。ただ、糸成と良の後ろ姿って似てるなぁって思って。」
「へえ、鋭いね。」
「!じゃあ、やっぱり…。」
「そうだよ。万引きしたのは良だ。」
「…良に対して怒りは湧かないの。」
「別に。まあ、良もストレス溜まってたんじゃない?新しいグループでは無理をしてらようだし、けど、コンビニにお金が品物を返したり、学校の先生に言ったり、謝ってきたり、って言うアクションがなきゃ、関係を断つつもりではある。」
糸成の意見は、私にとって悲しいものだったが、糸成の言うことも最もだったので私は糸成の部屋をあとにした。
家に帰って、自室で私は考えた。
糸成が良と関係を断つというのは私にとって悲しいことである。しかし、糸成が先生に白状したり、コンビニにお金を返したり、糸成に謝ったりということはなんとなくしないような気がした、
それを解決できるのは私だけのような気もする。