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明日から3連休に入る。
だが、俺はそれがとても不安だ。
フェアリアで研修を始めて、もうすぐ1ヶ月。始めての、連休。
フェアリアはカフェ、つまり、飲食を提供するサービス業で営んでいる店だ。
だからこそ、客足が増える休日が休みということは、滅多にない。
しかも、明日からの3連休は、ゴールデンウィークの直前にある3連休だ。
間の平日2日間有給をとって、観光名所が豊富な天波市にやってくる観光客が、フェアリアにやってくる可能性もある。
だから、ゴールデンウィークが終わるまで、休みというのはない。
労働基準法を考えると駄目なんだろうけど、ゴールデンウィーク明けに、しっかりと休日を作ってもらっているし、ここが稼ぎ時だというのもわかっているから、つべこべ言うつもりもない。
どんな週末になることやら…… と心配しながら、俺はフェアリアへと向かった。
「おはようございます」
「おう、柏木。昨日教えたことは覚えてるか?」
「はい。もちろんです」
「じゃああとで試してみるか。だが、その前に――」
「仕込み、ですよね。お手伝いします」
「じゃあ、そっちを頼むわ」
「わかりました」
指示された仕込みに取りかかる。
基本的な仕込みに関しては、もうオーナーから指導を受けないようになった。学校で習ってきた知識や技術が活かされているということだろうか。
あれ? そういえば
「今日、山崎はどうしたんですか?」
「山崎なら、ゴールデンウィークの里帰りとかで今週末は休みだ。5月1日にはこっちに復帰するらしい」
「今のうちに差をつけたいですね」
「差がつくとしたら、そいつぁ楽しみだ」
そんなことを話しながら準備を進め――――
夕方になった。
ちなみに、パンケーキについては「もう少し練習を重ねたら任せる」と言われた。練習量がもう少し必要らしい。
「パンケーキ、じゅうぶん美味しかったよ」
「ありがとう」
時雨は、状況を察して、そのとき欲しい言葉をくれるような感じがある。ちょっと天然なのが玉に傷だけど。
「なあお前ら」
オーナーから声がかかる。
「ちょっと、買い出しに行ってくれないか?」
第1回人気投票の前に、没と化した告白イベントを公開しようと思います。
「IF√~没告白集~」という章で投稿します。
…………まあ、スイフレ! 内の5/1が終わってからになりますが。