三話「決意」
少し空くと言っていた三話ですが時間があったので書いちゃいました。今回は二話より長いです。四話は本当に空くと思うのでご了承ください。
これから玲の学校生活の第一歩、一時限目が始まろうとしている。
「ねぇ、一時限目体育だけど出れんの?」
一時限目は体育.....無理だ見学しよう。せっかくの体育をやりたい気持ちはあるがそれが原因で悪化したら元も子もない。
「で?どうすんの?」
「えっと、まだ体力とか戻ってないし今日は見学します。」
嘘をついた。体力云々の問題ではない。だがこのクラスの人たちは病気は治ったと思っているのでそういうしかなかったのだ。
「...間違ってたらごめんだけど....なんか隠してる?」
「ど、どうしてそう思ったんですか?」
「勘」
「勘ですか」
どうにかバレないように冷静を装った
(どうする...バレないように誤魔化して移動しよう。)
バレてはいけない。そう思った玲は少し急ぎ教室を後にしようとした。
ガラガラガラ
「七宮~治ってないんだから体育見学な~」
割と大きめの声でそう言いながら入ってくる先生、玲一人だけだと思ったのだろう。
「先生...」
「あ、」
「...」
「やっべー用事思い出した。」
教師が廊下を走って逃げていく。
「治ってないってどういうこと?」
もしかしたらまだ誤魔化せる余地はあったのかもしれない。だが玲はこの人なら話してもいいと判断した。
「実は...
「そう...なんだ」
自分の病気がもう治らないであろうということ、自分に残されは時間は三年だということ、全てを緋依に話した。
空気が重い...
「ほ、ほら、別にどっちにしろ死ぬ運命だったんですし、もしかしたら余命より早く死ぬかもだったんですしある意味ラッキーですよね?」
重い空気を何とかしようとした結果が
自虐である。
こういうときに玲は空気が読めない
「どうして...?」
今にも消え入りそうな声で言った。
「どうしてそんな風に思えるの?自分の命だからどうなってもいいと思ってる?ふざけないて!どうして生きようとしないの?なんで諦めてんのよ!苦しくても足掻いてよ!無様でカッコ悪くても必死に生きようとしてよ!」
胸が痛くなった。緋依の言うことは正しい、間違っていたのは自分だったとだと、心のどこかで諦めていたのだと。
「流川さん...」
「!ご、ごめん、部外者が偉そうに何言ってるんだって話だよね、それにこういうの私のキャラじゃいし...」
「ごめんなさい!」
玲は謝った。全力で
「俺やっぱり何処かで諦めてたのかも知れないです。流川さんに言われてきずきました。自分で決めたことなのに...ごめんなさい!俺もう諦めたりしない、必死に足掻いてみせます」
今思うことを、全部言った。決意を、後悔を
「ねぇ、玲って呼んでいい?」
「そのかわりそっちも緋依で、あと敬語禁止!」
「アハハハハッ」
玲が笑ったのはいつぶりだろうか
「な、なんで笑うの?」
「ご、ごめんなさい、流川さんってもっと怖い人だとおもってたんてすけど」
「そんな風に思ってたんだ...」
「あ、ごめんなさ.「敬語」ごめん...」
「別にいーけど」
キーンコーンカーンコーン
「「あ」」
「終わっちゃった...」
「まぁ何はともあれ、これからのよろしくね、緋依」
自分でそう呼べと言っていたのに顔が真っ赤だ
このあとは緋依が終始赤面して一日が終わった。
赤面してる緋依を見て、玲は胸が痛くなった。
この感情が一体なんなのかを知るのはまだまだ先の話