コラボ第一話 女装勇者との再会
遠坂遥さんのオーバードライブ女装男子! http://ncode.syosetu.com/n0575dv/
と
私の作品の今日からアイドルを始めたい! http://ncode.syosetu.com/n1678eb/
とのコラボです!
世界は退屈だ。
少女は膨大な力と不老不死の肉体、そして全知全能の頭脳を持ってこの世に生を受けた。
あらゆる事を解決し、あらゆる事があろうとも死なず、あらゆる事を予測出来る。
努力や対策というものを必要としない彼女は、それ故退屈しているのだ。
だから少女は、遊ぶことにした。
自分を倒してくれる、退屈しない存在を求めて。
だが、異世界の強者達でさえも、少女を倒すことは出来ず。
少女に倒されずに、残る世界は三つとなった。
その世界の一つから転生し、自分に仕えることになった少年も、笑いながら戦うことを薦めた。
その世界の、ある意味中心とも言える三人は、生まれて初めて少女を震え上がらせた。
少女の膨大な力は、人の能力を読み取ることも出来るからだ。
まずは、会わせてみることにした。
この三人と、その仲間を。
◇◇◇
死ぬかと思った。
既に何度か死にかけた事はあるが、空から落下したのはこれが初めてだ。
上には私と同じ体重の少女も乗っかっているので、それも私を苦しめる原因となっている。
空から振ってきたゲームカセットのようなものを、VRコネクターで使用した時。
いきなり空中から、何の告知も無しに落下した。
その時フタメの分もカセットが落ちてきたから、二人で同じゲームにログインしたというわけだ。
目の前にはドーム型の建物。『滋賀ホール』という建物だ。
カセットにはそこでスクールアイドルのライブをやるから、是非ログインして欲しいと書かれていた。
「てか、やっぱ空から落ちてきた謎のゲームとかプレイするべきじゃないな・・・・・・」
「いや、普通そうだから」
フタメさんが私の上から退きながら呟く。
私の名前は、北条朝美。平凡・・・・・・とは程遠い存在になってしまった高校二年生。
というのも、高校に入って二度のデスゲームを体験し、私の上にさっきまで乗っていたフタメという少女から救国の英雄などと呼ばれたのだから、とても平凡とは言えないだろう。
紫の髪のショートヘアと青い二重瞼の瞳を持つ容姿は、自分ではそう感じたことはないが、美人と称されることが多い。一応彼氏もいる。
「さて、じゃあ行こうかフタメさん」
「うん、アサミ」
フタメが私に似た声で返す。
彼女は虎龍双女。私と同い年の高校二年生。
だが日本人ではない。元はタイガード共和国という、アジアの小国に住んでいた。その国を滅ぼされ、日本に亡命した後、研究者に囚われてしまい、デスゲームで私と知り合うことになった。
その時は記憶を失っていたが、後に上杉によって記憶を取り戻したのだ。
彼女の本名はコリューメ・ノーザン。私は彼女を救うため、彼女の国を滅ぼした皇帝と戦い、勝利し、彼女から救国の英雄と呼ばれるようになった。
彼女の顔や体型は、何故か知らないが、私に似ている。頭につけている、父親の形見だというゴーグルと、髪がツンツンした薄い金髪でなければ、完全に私だ。
と、その時だ。
謎の異形が出現し、私達を取り囲む。
――こいつらは一体ッ!
「炎の双拳・展開!」
両拳がオレンジの炎に染まる。この世界でもアビリティは使えるようだ。
そのまま右重左軽の体勢に入ろうとしたが。
異形の催眠術に掛かり、私達は眠らされてしまった。
◇◇◇
目を覚ますと、そこはどこかの洞窟だった。
「ここは、どこ?」
隣の布団でフタメさんが寝ている。
あの異形は夢だったのだろうか。だとしたら、何故私は洞窟なんかにいるんだろう。
夢遊病?
いやいや、そんなはずはない。
謎は深まるばかりだったが、次に聞こえた声が、その問いに答えてくれた。
「目が覚めた?
おはよう、アサミ」
女性の声。だが若干男っぽい口調。聞き覚えはある。
その声の方を向く。その姿も、見覚えのあるものだった。
女性だが、実は性転換魔法によって女体化された男性の勇者。
彼は。
「ハルト君!?」
彼の名はハルト。一度異世界の武闘大会で会っている。
彼はアルカディアの代行勇者として戦う者だ。
「私の事、覚えててくれたんだ。
それに、セレスティアさんまで」
隣を見ると、セレスティアさんもいた。
彼女はハルトの上司で、ハルトを代行勇者に仕立てた人だ。
「君達はどうしてここに?」
「どうやら新しい敵が現れたみたいなんだ。さっきアサミ達が倒れていた劇場で、観客を助けながら、上杉って奴と会ったんだけど、また一波乱起きそうな気がする。
上杉のせいでここまでワープしたんだけど、ここがスタート地点で、あの扉を開けたら敵がいるらしい」
異世界に関連する事象。そして上杉の出現。
また何かが起きそうだ。
「あ、私も自己紹介していいですか?」
新しい女性の声。その方を向く。
茶髪のショートヘアに、黄色い瞳。赤いブレザーと赤いスカートを履いている。
「君は?」
「あ、私は杉谷寿奈です。私達も逃げたんですが、先輩達とはぐれてしまいまして。
戦闘は出来ませんが、仲間を見つけるまで一緒にいさせてください」
あのコンサートで歌う予定だった少女か。
『全員、目が覚めたようですね』
上杉の声。
「上杉ッ!」
『貴方達の最初の敵はその洞窟の扉を抜けた先にいます。私も最後の部屋で待っております』
私達はそのまま、扉を開ける。
最初の敵は、一見弱そうな感じだ。黒いツンツンした髪に、白いワイシャツと黒いネクタイ。黒いスラックスを履き、片手剣を持っている。
エラの張った顔で、黄色い瞳の一重瞼。鋭い目つきをしている。
幾度も私によって倒された青年。
「よりにもよって、一番最初が君なのかッ!」
「俺もお前と最初に戦うことになって驚いているさ。さあ拳を握れ、次こそは貴様に勝つ」
私はハルトに呟いてから、前に進む。
「斎藤君は私が相手するから、君達は下がっていて」
斎藤君は、ただの高校生――ではなく四歳の頃に死んだ彼をAI化したものを、成長させた姿が彼なのだが、どういう記憶を注入したのか、かなりの剣の達人だ。
倒せるのは私だけ。それは私が一番良く知っている。
「貴様と戦うのは、これで五回目だな。今度こそ、貴様を下す!」
斎藤君の瞳が、一層鋭くなった気がした。
次回予告
寿奈「どうも、杉谷寿奈です。一回戦目から強そうな奴が現れたね。
アサミが挑むらしいけど、勝てるのかな~」




