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汝は裏切り者なりや?3  作者: 心夜@カクヨムに移行
マグニ帝国の野望編
16/22

第十六話  Settlement

シジンは、赤と金で構成された豪華なローブを纏っていた。

 だが顔が幼いからか、王様にはあまり見えない。

 腰には、派手な装飾が成された金の長剣。

 どう考えても、只者では無い。

「さーて、コリューメを助けることに成功したから、あとは僕を倒せばここから出られるよ」

「一つ、聞いて良いかな?」

「ん?」

「なんで、なんでフタメさんから全てを奪ったの?」

 答えはすぐに返ってきた。

「この世界では戦争が行われているからねえ。それが当たり前なんだよ」

 戦争。憲法九条によって、戦争をすることを禁じられ、平和に暮らしている私達には、画面、あるいはゲームの中の存在でしかない言葉。

「平和ボケしている君達日本人には分からないとは思うけどね」

「ああ。分からない。

少なくとも私には」

 両拳を握る。

「さあ、始めようか。

もうお喋りにも飽きたし。終わりにしようよ」

 そう言って、シジンは剣を抜く。

 それを片手に持ち、子供のように不敵に笑う。

「――行くぞ、シジン!!」

 敵の名を叫んでから、解放技を発動した。

 拳が青く染まる。

 全力でダッシュしながら、私は青く大きな火の玉を右手で生成した。

《炎弾》。

 頭の中で、撃てと唱えると同時に、青い炎の弾丸がシジンに向かって放たれる。

 青い火の玉が、シジンを飲み込む、と思った。

 しかし炎弾は、不可視の壁に阻まれ。

 反射した。

 反射された炎弾を躱してから、シジンは口を開く。

「僕は君を倒す為に、沢山のアビリティを使えるようにしたよ。これはその一つ。《光線反射(ビーム・リフレクション)》。僕に遠距離技は効かない。残念だったね」

「うおおおおおッ!!」

 両拳の青い炎の激しさを増す。

 その炎は翼と化し、シジンの胸目掛けて放たれる。

 ゲームの技・《炎翼之舞(エンヨクノマイ)》。

 これはゲームでも物理技扱いとなっている。

 これなら当たる筈、だったが。

 翼はシジンの剣に迎撃され、消滅した。

「次は僕の番だね。分からせてあげるよ。

力の差を」

 シジンの瞳が鋭くなり。

 私にも認識不可能な速度で、光のように突撃した。

「ッ!!」

 気付けば私の左腕にシジンの長剣が深々と刺さっている。

 次いでシジンは、何も持たない左手で。

 私の腹を殴る。

「ぐほッ・・・・・・」

 その攻撃で倒れる途中、シジンは長剣を抜き、胸に刺そうとした。

 ――ここで、終わりか。

 考えてみれば、本物の軍人相手にここまでよく戦ったものだ。

 もう、ここで諦めても・・・・・・。

 その時だ。

 何者かの、声が聞こえた。

『アサミ・・・・・・。アサミよ。

コリューメを、コリューメを守ってくれ』

 脳裏に、その人物の顔が浮かんだ。

 白くツンツンした髪を持つ、黒い服を纏う青年。

 フタメの想い人――――フィナード。

 私は、ここで負けるわけにはいかないんだ!!

 眼を開ける。

 シジンは剣を胸に突き立てようとしている。

 だが、まだ避けられるかも知れない。

「うおおおおおッ!!」

 私はそれを躱す。

 着地したその時、変化が起きた。

 両拳が青ではなく、金の光を放つ。

「・・・・・・。金色の拳のその姿、まるで神のようだね」

 シジンが余裕そうに呟く。

「これが、私の神炎之拳(ゴッド・バースト)!!」

 かつてない、強い力。

 今なら、何でも出来る。そんな気がした。

「見せてあげるよ。僕の力を!

絶対防御(パーフェクト・ディフェンス)!!」

 シジンの解放技。巨大な壁が、シジンの前に出現する。

「これで決まる。これを破れなければ、君はこの障壁から放たれる光に飲み込まれて死ぬぞ!」

「ならば、破るだけ!」

 私は神の力に満たされた両拳で、炎の双拳最強技を放った。

炎星爆裂(エンセイバクレツ)》。全十六連攻撃。

 星の輝きにも、炎の輝きにも見える、神々しい光が両手から放たれる。

 拳と共に、光がシジンを守る壁に当たっていく。

「うおおおおおッ!!」

 咆哮と共に、動きが加速する。

 シジンも、声こそ聞こえないが、叫んでいた。

 十六撃目の右拳によるストレートが、壁に当たった瞬間。

 バリアにヒビが入り、ガラスが割れるような音と共に。

 破壊された。

 だが。

「僕は諦めない!」

 右ストレートの体勢のまま、動けない私を倒そうと、シジンは目を細めて突きの構えに入り。

「はァァァァッ!!」

 シジンの叫びと同時に、いくつもの事が同時に起こった。

 津波、炎の翼、光の槍。

 四天王が使っていた全ての解放技が、シジンの頭上に出現する。

「喰らえッ!!」

 全てがシジンの剣に吸収され、シジンの突きが放たれる。

 その時。一人の、右拳から十体の龍を出現させた少女が目の前に現れ。

 龍は突き技を阻害し、光を飲み込もうとする。

「今だアサミ!」

「ありがとう、フタメさん!!」

 最後の一撃が、私の右拳から放たれる。

 神々しい光を放つ炎が、シジンの胸に突き刺さった。

「認めない。負けるわけにはいかない!!」

 シジンは尚も抵抗を続ける。

「うおおおおおおッ!!」

「負けるものかァァァァッ!!」

 勝ったのは、私の拳だった。

 シジンの内から白い光が放たれ、宙を舞い。

 彼の肉体は、内側から崩壊し。

 爆散した。


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