表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/35

知りたくなかった現実

「まずは、お互いの確認とはよ心配事を解決していこか」

「ほやな。云いたぁないことは、云わんでもエエで」

「んーお互いにな」

どない(どお)して、ここにおる(いるの)かなん()けど」

「ゲームインストして、セッティング中に寝てもう(まっ)て」

「あーほっちもで(そちらもね)

「なんだかなぁー」


「これからの問題は〝風呂〟〝飯〟〝寝る〟やけど」

「うん、衣食住のことね」

 笑われた。ふっ、ギャグで云っただけですよ。

 ボケたがる二人では、なかなか話が進まない。望む〝ツッコミ役〟、わしらはボケたいんや。


「オカネ持っとらんし、この格好では何処へも行けんな」

「ほやな」

「ほれと、人種問題があるかもしれへんし」

「ほやな」

 このときはまだ、せいぜい相手が耳長族らしいというぐらいしか双方に自身と相手への誤解があることをどちらも判っていなかった。


「まず食べ物探しせえへん?」

「異議なし」

「この奥から水の音しよらん?」

「あーー・・・聞こえる」

「行ってみん」

「行こか」

 耳を澄ませば、確かにこの奥から水の流れる音が聞こえてくる。何もしないよか陽のあるうちに何かしよう。


 鬱蒼としている。


 気温は肌寒くも暑くもなく裸族向きだったのは幸運かな。

 陽の光も樹木によって僅かしか届いていない。そこをかき分けて奥へ足を進めると蔦の絡まる木が多くなっていき、落ちてた枝と割ってとがらせて作った石斧で不器用に払い、払った蔦を回収しながら進んでいった。

 いつしか時間間隔もなくなり、ただ進むことだけに意識がシフトしてからやっとたどり着いた。


 木漏れ日にキラキラと輝く澄んだ水が流れる小川だ。


 わしらは踝がつかる浅いところで、掌を重ねて掬った水を口に運び喉を潤した。


「こーゆーとき、上流見たら誰かが用足しとるとか」

「ねーよ」

「ほんでも、飲んだら出しとーなった」

「やな」


 わしら二人は岸に上がり、わしは足を軽く開いて踏ん張りながら、隣のが同んなじよーな立ちションの体制だったので「あんたはしゃがまんとあかんのちゃう」と注意をしたら「いゃそっちがやろ」と変な顔したからとりあえずスルー。

 「下流の人ごめんなー」といってから、下腹部の力を抜いた。

「!」

「なんじゃこれわー」

 マイサンこと竿がない。加えて云うならタマ袋もない。補助にと股間に伸ばした手はむなしく空を切る。その手に温水が迸り、内ももと云わず周囲を汚していく。


「「ココは誰、わしは何処・・・・」」

 わしらは現実逃避した。


 汚れた下半身は、そんなに流れの級じゃないとこまで行って洗いました。はい、手洗いです。表面だけね。ほんとに表面だけだよ。


 二人して散々叫んたら少し冷静になってきた。でもアル件については、未だ逃亡中。いゃナイ件か。


 気を取り直して小川の話。

 幅はわしらの身長の五倍ぐらい、深さは一番深そうなところで腰ぐらい。魚は・・・・いるかもしれないけど釣り竿も網もない。


 どおしよう。


「そうだ木の実をさがそう」

「おーーー」


 結果、わしらはよくわからん実を口にした。

 二人は各々に追加で手に入れた蔦を材料に籐籠の側面を思い出しながら縦と横に片方が少しすぼまる筒をつくっていった。

「こんなもんかな」

「試しに被ってみ?」

「桶」


 ガサゴソと被ると、布じゃないので着心地は悪いが、当初の目的であるまっぱを隠すことは出来そうだ。


「手が動かしにくくなるな」

「そこは仕方ないよ、あと首回りは何本か付け足さないと隙間からチチが見える」

「それはまずいか。でも狭くすると頭が通んないよな」

「葉っぱを飾りにつけたりしてカバーしょうか」

「ん。その方向でいいと思う」


 陽の傾きが大きくなってきたのでサバイバル検定があればダントツで不合格とれるという自負の下、木の枝とか落ち葉とかでベッドを作った。

 完成した頃にはドップリと夜になっていたのだが、なんとなく周囲が見渡せることに気づいた。

 このときにはもう自分も長耳族だと認識していて、もう一つの呼び名である森人の補正がかかっているのだと考えが及んだ。


 寝るとなったら急に野獣とかの心配が出てきた。


 どちらも疲れているはずなのに眠気がやってこない。

 そこで、テンプレならと云う話題で、自分たちの諸元とか確認出来るはずだよねと思いつくフレーズを言って時間を潰すことにした。


「ステータス」

「オープン」

「ステータス・オープン」

「オープンセサミー」

「開けゴマ」


 二人は、設定が終わったゲームアプリの最初の起動で半強制的に始まるアレを失念していたので、当然の機能すら封印(おあずけ)されたままだと気づかないまま無駄な時間を過ごした。


 二人の夜は長い。しかし金髪碧眼のぶさエルフが先に船をこぎ始めた。

 残されたわしは相手から、銀髪で赤い目をしたエルフでアルビノに見えると云われ、眠れぬ夜を過ごした。


 当面だけでも〝衣食住〟と人との接触の問題を棚上げして、少し早いですが「H,WW.〝試食版〟」に当たる部分を終了します。

 次あたりから、ネイティブ・パーソン・キャラクター(造語)達がもっと出てくる予定です。


 メモを起こしていると繋ぎ目に綻びがあって、この修正に時間がとられています。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ