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ジュースのおかわりを所望する

 不調です。ふざけ度が足りないかな。サン値には影響ないと思われ。

 趣あるドアの向こうの部屋には、重厚で大きな机に座る男と低いテーブルを挟む長椅子の片側に置かれた椅子があり、わしらが入っていくと男が立ち上がった。


「ほっほっほ、久しいのゴロ坊。親父殿は息災か」

「はい、引退してから弟のいる王都でおかげさまで元気に暮らしています」

「そうか、それはなによりだ。王都の近くに行くことがあれば一度立ち寄ってみようかの」

「そうして頂ければ父も喜びます」

「いやなに、戯れに長く離れていたのは儂の方じゃ」

「先輩もお変わりがないようですね」


 こいつギルマスよかエライの?

 わしらを抱えたまんまいつまで続けんのダ。

「いいかげんに下ろしてぇ」

「むさいおっさんに、これっぽっちも興味ないわぁ」

「ほっほっほー、これは失礼したな。座ってよろしいかな」

「遅くなりましたが、どうぞお掛け下さい」

 大男はわしらを抱えたままソファーの中央に腰を下ろしわしらをリリースした。

 そのままエスケープしようとしたのだが、事務員が持ってきた名前の判らないフルーツジュースがわしらに魅了のスキルを発揮したようだ。恐るべし名状しがたいフルーツシュース。いつかリベンジしてやる。


 ギルマスは細マッチョなのだがおっさんであることに間違いない。40ぐらいかな。

 内容はよくわからないけどおっさん二人は昔話を続けた。


「なぁ、早ようしてんか」

「わしら閑やないんじゃ」

「そや、お昼寝せんならん時間じゃ」

「しまいに寝倒すぞぉ」

「ほっほっほー、これは失礼したな」


「では早速準備しますね」

 ギルマスは一度席を立ち、事務員に何か指示をして行かせ、自室の金庫から箱を取り出してテーブルの上に置いた。横に書類のような物と大男の指輪を置く。


「それでは、開けてみますね」

 カギは掛かっていなかったようで、蓋が開いた。中をのぞき込むと金と銀の小さな腕輪が二つ収められていた。

「ほう、すんなり開いたな」

「なんやそれ」

「わしら関係ないやん」

「ジュースおかわり」

「飲んだら帰る」


「ほっほっほっ、そんなに飲むと、おねしょの神様に取り憑かれるぞ」

「それは困る」

「だが体が欲しているのだ」

「もうすこし待ってくださいね」

 ギルマスは、わしらに丁寧な対応をするが、横にいるこいつがいるからなのかな。


「ほっほっ、二つあるだろう。持ってみなさい」

「ええー、これ?」

「なんなん?」

 わしらは各々銀と金の輪っかを手に取って、ベースが金と銀の違いといろんな種類の細かな細工などを見比べ結局指でくるくる回したり、興味は微塵も無くなった。

「それは腕輪なんですよ」

「ほっほ、そのまま填めてごらん」

 面倒だなと思いながら、しぶしぶと填めたら事務員とおばさんが登録の残りがと行って入ってきた。

「退屈なのは判るがな、もう変装はよいじやろう」

「「「!」」」

 大男がわしらからお面を取り上げた。三人のギルド関係者に素顔を晒すわしらは抗議する。

「わっ、とっちゃだめぇー」

「わしら100%は、どこからも需要無いぞー」


「そんな、まさか」

「なんとそのお顔は」

「・・・神子様か」


「ほっほっほっ、腕輪も継承され、姿も変わりない。当代の神子じゃ。登録に何か問題はあるか」

 大男がおばさんに言うと、首を振りながら問題は無いのですぐに取りかかると早口に云い引っ込んでいった。

「へんなババァやな」

「なにあれ」

「かんちょーしたったら良かったな」

「ええっ、熟女趣味なん?」

「ちゃうわ」

「ほなけどわし、神子ちゃうで」

「ワシもや」


「近いうちに日を改めてくることにするよ」

 わしらはドナドナされてギルドマスターの部屋を出た。

 お面を返してくれたので、付け直してカウンターに近づいたので。

「今日はこの辺で止めといたるわ」

「今度来たとき、きっちり耳詰めてもらうからのぉ」


 そのまま日差しのある外に出てきたので、わしはフードを深めに被った。

「おっさん、何者や」

「それとこの腕輪もナニ?」


「ほっほっほっ、そんなことよりお昼寝の時間はいいのか」

「あぁーーー・・・」

「ちょっとマズイかも」

「でも残念,あのオバサンに『ねえ今どんなキムチ』やりたかった」

「そだねー『辛いの甘いの塩っぱいの』までやりたいよねー」

「ほーっほっほっほ,そう言うてやるでない」

 大男はどこから持ってきたのか,前輪の上に二つ横に並んだ子載せがある自転車を置いた。


 わしらをシートに乗せた。

「安全のためにシートベルトをするんだぞ」

「へい、へい」

「へいは千回」

「へいへいへいへいへいへいへいへいへいへいへいへい・・・・・・・言えるかぼけぇ」

「ほな0回」

「もう30回ぐらい言うとるわ」

「差し引きしてやがな」

「さよか」


「ほっほっほっ、さあ着いたぞ」

 孤児院の前で下ろされた。振り出しに戻っちまったか。

 一歩中に入ると、どこか慌ただしいかも。

 目の前を通り過ぎる人影にどおしたのと訪ねると、今日来たばかりの子供が二人いなくなったんだって。そりゃ大変だよね。


 主人降格のウェイが使う一人称は「わし」、相方のメイは「ワシ」。そして「儂」を使うのは誰?


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