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8話 魔法とマジで天使なお嬢様

※注)アリサは『モブ』のことを単語を知らないためモンスターの略で『モンス』と呼んでいます。他のプレイヤーは普通に『モブ』と呼びます。

混乱すると思いますがキャラ付けのため、こんな設定をしています御要証ください。


ジャンル別の日刊ランキング7位になってました。上がってるっ(゜Д゜;) 何この上がりっ!?

評価ブックマーク、感想ご指摘いただき本当にありがとうございます。

ふー

とりあえず南門には人はいないようだった。

というのも、皆まだレベルが低いのでパーティを組むより基礎レベルの上昇に努めているのと、単純に敵の経験値効率が南よりも他の門の方がいい(らしい)からだ。

この門に出現するモンスは猪や鹿などの哺乳類動物が主体で、しかも大きい。早いっ! 攻撃強い!というのが多い。HPもパーティ用だから高めなのである。確か四人以上推奨だったかな?(最高七人まで使役モブは含みません)

そんな訳で経験値自体はおいしいんだけど、倒しにくいから結果として効率が悪いと言うのが、この南門なのである。

チャレンジャーがやってくるにしてももうちょっとレベル上げてからだろう。


【オーラ・ディアー】Lv4

【プーギー】Lv3


それぞれ、鹿と猪。ちなみに猪は子供なので『ボタン』である。

それでもサイズは私の胸くらいまであるけども。

で、大人はと言うと。


【ビッグボア】Lv8(半パッシブ)


でかい。

三メートルくらいの高さはあるかな?

そしてレベルも高いのだ。

ちなみに半パッシブなのは【プーギー】を攻撃すると一緒に【ビッグボア】のパッシブ状態も解除されるからだったりする。

鹿より【プーギー】の方が経験値少し多く設定されてるらしいけどね。運営の意地の悪さを感じる。


「それで・・・急に走り出してどういうことですの?」


ハッ、ハッと息を吐きながらエレナが尋ねてくる。その間その大きな胸が存在を主張するようにゆさゆさ揺れる。・・・ボインめ。


「・・・・ゼー・・・・ゼー」


ニアは地面に大の字(うつ伏せ)になって倒れている。

引きこもりにあの速度は堪えたのだろう。

まあ、実は私もついこの間まで似たようなもんだったんだけど。


「いやーごめん。実はさっきPVPした相手、私の身内なんだ。リアルおじいちゃん。なんか凄い調子乗ってたから一発ガツンと入れてやろうかと思ったんだけど・・・私も乗っちゃったっ」

「乗っちゃったっ、じゃありませんわよ、もうっ。突然戦いだすから驚いたじゃありませんの。やるなら一言声をかけてからにしてください」


ふんす、とちょっと不機嫌さをアピールするお嬢様カワユス。


「・・・ゼー。アリサ、ニワカオタな、とこ・・・あるよ・・ね」

「ニア。苦しいなら寝てていいですわよ」

「・・・・・うん」


「ていうか。エレナ怒ってないの? 私突然おかしなことしだしたのに」

「え? 別におかしなことありました?」

「・・・え?」


え?どゆこと?

「パーティ組んで」これを言われてパーティを組みました。しかし私はせっかく組んだその人たちを置き去りにPVPなんて始める奇行。むしろ怒られて当然。パーティ解散もあり得ると思うんですが?


「パーティを組んでほしいと頼んだのもわたくしですし、別に組んだからと言って何か制限するものでもないでしょう? それにアリサの戦いは見てて楽しかったですわっ」

「・・・・・・」


私は、ぽかーんと開いた口が塞がらなかった。

え? なにこのお嬢様、マジ天使なんですが。え? お嬢様って高飛車なイメージが、え?


「・・・偏見」

「ニアって心読むよね?」

「・・・顔に書いてある。アリサは特に分かりやすい」


むくっ、と起き上がって来た。

そんなにわかりやすいの、私って・・・。


「・・・はー。ゲームだと回復速い」

「まあ精神的な疲労だけだからね。体はヴァーチャルだし」

「・・・本体は寝てるだけだものね」


それは言っちゃいけないと思う。

つまり私たちは夜寝て昼も寝てる惰眠厨ということに・・・あ、考えるのやめとこ。ゲーム。そう、ゲームを楽しむんだ。


「夜はちょっとウォーキングにだ掛けるようにするよ」

「あ・・・それはわたくしもしておかなければ」


VRゲーム。運動不足と言う見えない罠があるジャンルだった。



で。エレナから、ありがた~いお許し(いやマジでっ)が出たところで、ゲーム攻略に戻る訳だけど。

最初に質問。


「二人の職業は?」

「わたくしは【魔術師】ですわ」

「・・・【召喚師】」

「二人ともアタッカーだね」


まあ【治癒師】を取る人の方が珍しいか。

パーティ組むのが必須で、初期は軽く寄生プレイ状態だし。

でもそうなると、問題は威力の方だよね? 召喚師は確か最大で2体まで召喚できるんだっけ?


「ちょっと試してもらってもいいかな? 猪は攻撃すると大きいやつが襲ってくるから、鹿だけ狙ってね。そういえば二人は属性は何取ってるの?」


確か魔術系の職は属性魔法によってスキルが分かれていたはずなので、どんなスキルを選んだのか気になる。


「・・・とりあえず《火精霊》だけ取った。他にもレベルが上がると《聖獣》系とか覚えるみたい。レベル上げないと一体しかまだ出せないからそれだけ・・」

「わたくしもとりあえず《雷魔法》だけですわ」

「・・・え?」

「なんですの?」

「・・・エレナ、それ取ったの?」

「どういう意味ですの?」

「・・・・・。いや大丈夫。これはゲームだから。きっと・・・うん」


「なんかすっごい気になるやり取りだったんだけど。・・・大丈夫だよね?」

「・・・試してみる?」


ニアの雰囲気から、これやばいんじゃない? っていうのがすっごい伝わってくるんだけどどうしよう。


「とりあえず。まずはエレナっ。ゴー! ニアは召喚しておいてっ」

「・・・了解」

「わかりましたわっ! 雷撃よっ、我が魔力を持って敵を撃て!」


へー、これが詠唱か。

初期魔法だけあって覚えやすそうだね。


「《サンダー》! 『ズゴオオオオッ!』

            ―――キャアアアッ!」


おー、すごい威力。レベル差あるのに鹿のHPが四割くらい削れた。―――キャア?

くるっ、と振り返るとそこには膝と耳を抱えてうずくまって涙目になるお嬢様。

・・・・・・。え、なにこれ?

あ、鹿が怒って走ってくる。


「・・・エレナは雷駄目な娘」

「えっ?」

「・・・本当、なんでその魔法選んだ・・」

「だ、だってっ! 格好良さそうだったんですもの!」


このお嬢様。可愛いし天使だけど・・・駄目だっ!

完全なる箱入り娘だった。


「ニア。どうやらエレナはこれ以上戦線に参加できないそうです」

「・・・うん。でも4割消えてれば十分」

「ニアは他のゲームの経験は?」

「・・・引きこもりをなめるな」

「オーケーっ!」


ゲームを禁止されてたのはエレナだけのようだ。

良かったっ。・・・良かったのだろうか?

余談だが、エレナは友達の家に遊びに行ったことがない。ニアが遊びに行った時も、必ず持ち物の検査をされた。

ニアが引きこもってからはもっぱら手紙と電話だけの付き合いである(どっちも監視とチェック付き)。

そんななのでニアはエレナがVRゲームに誘って来た時は雷が落ちるほどの衝撃だったという。


「いでよっ、火の精霊『フィリー』!」


ボッ


現れたのは火の玉に二つのお目々がついた、茶目っ気ある精霊。可愛いっ。


「いけ、『フィリーダイブ』っ」

「え?」


ボーンッ


召喚した精霊は突進してくる鹿の顔面に命中するとその巨体をふっ飛ばすと同時に消滅した。


「ええええええええええええええ!」

「残り1割。アリサ、今の内」

「あー、もうっ! 可愛かったのに、なんて可哀想な役回り!」


あ、私の役目は止めに倒れている鹿の頭をぶっ刺しまくるだけでした。

後から知ったことだけど、火精霊には『火炎弾』と『捨て身攻撃』の二種類の攻撃手段があるらしい。

その中でたとえ威力が高くとも迷わず『捨て身』を選んだニアは非情である。



後、エレナには『初勝利報酬』で手に入ったスキル枠+1で《水魔法》取らせました。

《雷魔法》は封印です。

エレナは萌えキャラですよ。

ギャップ萌えです。お嬢様萌えです。

以下エレナのキャラ設定

エレナは温かい環境で育っているため、人の黒い部分から隔離されて育ってきています。

そのため人の負の部分が抜け落ちています。

周囲も彼女を傷つけると『ヤバイ』というのを親から刷り込まれているので一切危害を加えず、害になりえる者は排除してきました。

ゲームや漫画などもそれに含まれます。

そのため生まれた『箱入り娘(邪気ゼロVer)』です。

一歩間違えればなっていたかもしれないっ『高飛車お嬢様』回避おめ。


以上、どこまでも乗りで作ったエレナの設定です。

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