5話 初めてのフレンド
本日二話目です。
戦闘は特にありません。
今朝確認したらブックマーク65?("゜д゜)ポカーン
「いいじゃん。俺βでやってたからいろいろ詳しいし、アドバイスできるよ」
「ですから、わたくしたちはそんなもの必要ないと言ってるじゃありませんか!」
あー。
なるほど、ナンパね。
片方は赤い髪をした大剣を背負った男で、年齢は二十代くらいかな?
対する女の子は私とおんなじくらいの年齢に見える。紫髪に縦ロール・・・狙ってらっしゃる?
その女の子の後ろには水色のショートカットの女の子が隠れている。
友達と正式版から始めた口だね。
口調を聞く限りお嬢様っぽい。・・・・・・本物なんだろうなぁー。
このゲームのお値段を考えるとロールじゃない可能性の方が大きいんだよね。不思議っ。
「ほらっ、それに君たち二人とも後衛じゃん? 前衛が一人くらいいた方がいいと思うんだよねー。詠唱も時間かかるしさ。接近されたらきついでしょ?」
「そ、それは・・・いえっ、大丈夫ですわ! なんとかしてみせます!」
あ、このお嬢様押しに弱そう。
というより正論に弱いのだろう。正しいことを言われて、自分でもちょっとまずいとか思ってたから動揺しました。って態度で示しちゃってる。
当然そんな反応されたら男は乗っちゃう。
男がにやけたのを見てお嬢様がビクリと反応した。
あー。これは駄目だね。
「じゃあさ「通報しますた」へ?」
「・・・あ、ごめんなさい。間違えました」
うっわー。やっちゃった。掲示板に書き込む練習用に覚えたセリフ間違って使っちゃったよ。
顔が一気に顔が赤くなる。
―――この場に突っ込める人間がいたら「そんな練習は必要ない」と言ったことだろう。
対照的に男の顔が真っ青になっていた。
「え? 通報、え?」
「ああっ、違うんですっ。これ以上はハラスメントで訴えますよって言おうとしただけで。別にそんな変なことした訳じゃなくてですね」
あ、だめだ。私もおかしい。
「あ、ああ、そうか。ハラスメントで・・・ってダメじゃん」
男が先に冷静になりました。
そして男の視線はアリサの腰へと移動しており。
「前衛いたのか・・・」
諦めた顔になった。
それからくるりとお嬢様たちを見ると。
「えーっと悪かったな。もし困った事とかあれば相談してもらうくらいでもいいから。あ、俺フレットって言うんだ。一応覚えといて。それじゃっ」
そう言って走って行った。足おそっ!
―――《大剣》スキルの弊害で敏捷にSPが回っていないのである。
その時は追い払ったけれど。後から考えるとあのお兄さんは初心者の女の子の支援をしようとしていただけだったことに思い至った。悪いことしたかな?
いや、絶対下心もあっただろうから私は間違っていなかったと思う。うん。
さて。
「えーっと」
「あ、あのっ」
「はいっ!」ビクッ
気付けばそこに、頭を下げるお嬢様がいた。
「あ、ありがとうございましたわっ。おかげで助かりました」
「・・・ありがとう」
「あ・・・うん」
急に声を掛けられたから驚いちゃった。
後ろの子声すごく綺麗だね。
ふー。
「どういたしまして」
私はほっとした笑顔で返した。
二人に話を聞くと。二人はやっぱりお嬢様だった。
昔からゲームには興味があって。でも普通のゲームは親に反対されてできなかったのだという。
けれど今回のゲームは普通じゃない。ヴァーチャル空間にダイブする体感方のゲームだ。
そっちの方が危険とか言われるんじゃないの? と思わなくもないけど、見聞を広めるとか色々理由を並べてどうにか買ってもらうに至ったようだ。
その理由の一つが。
「・・・使われた」
水色ショートの子、ニア。彼女は引きこもりだった。
理由は知らないけど彼女の両親もそれをよく思っておらず、ヴァーチャルと言えど、人のいる場所に行くことには違いないとオーケーしたらしい。
そして幼馴染だった紫縦ロールの子、エレナは付き添い(と言う名目)で一緒にプレイすることに。
なんというか・・・機械自体は欲しいの一言で買ってもらえるところがさすがお嬢様だよね。
だってこの話、お金の心配は一切してないもん。
二人ともお嬢様だけあって綺麗だった。
「特にエレナは・・・いろいろ羨ましすぎる・・・」
「・・・分かる」
エレナはいわゆるダイナマイトボディーっ!・・・というやつだった。
ボインである。長身である。安産型である。
おまけに美人っ、なんだこれは! 羨ましすぎる!
・・・ちなみにニアは。
さっ、と隠された。
うん。仲間である。背は私よりちょっと高いけど。
いいもん。155.1だって立派な150代後半だもん。あ、1㎝低くされたんだった。エリーめっ!
ニアにグッとガッツポーズされる。大丈夫、と励まされてるような気がした。
「何故かしら? わたくしを無視して二人で通じ合ってるように感じるのですけど・・・」
間違ってはいない。
「へー、アリサは【戦士】ですのね。もうレベル2なんですの!?」
「うん。ちょっと狩って来たから。本当は一緒に入った二人を探さなきゃいけないんだろうけど、我慢できなくって」
「まあ。では急がなくてはならないのではなくて?」
「うん。だからもう行くよ。最後にフレンド登録しとこう? また会って話したりしたいし」
「え?でもそれは「・・・しよう」ニア!?」
「・・・アリサとは通じるものがある。私達のパーティには前衛もいない。アリサはもうレベル2。優良物件。引き入れるべきと私は思う」
ニア。喋る時は良く喋る。
それだけ心を開いてくれたってことかな? 同盟的な意味で。
『ニアとフレンドになりました』
登録が済んで、晴れてフレンドになった。
これでいつでも話ができる。インしていればだけど。
テロン♪『クエストを達成しました』
『初めてのフレンド報酬
【フレンドリング】 SP:3 』
「・・・クエスト?」
「何か特定の行動するたびにもらえるみたいだよ。最初だけだろうけど」
「・・・装備もある」
「な、なんですの!? 二人だけでずるいですわよ!」
もちろんエレナとも登録しました。
慌てるお嬢様、なんか微笑ましい。
【フレンドリング】レア度5
HPMP以外の全能力に+1 装備条件:フレンドがいること
友情の象徴の指輪。女神の祝福が込められている。かも?
かも?ってなに。
あ、でも効果は良い。
「いい効果。友達がいないボッチは可哀想」
「含み笑いしながら言ってるとけなしてるようにしか見えないよ?」
「ニア・・・だめですわよ?」
「・・・ごめんなさい」
まあ、いい装備も手に入ったし。これでいったんお別れかな。
「それじゃあ「あ、待ってくださいまし」
そう思って背を向けようとするとエレナに呼び止められた。
なんかもじもじしてる。可愛い。
・・・レズじゃないよ?
「その・・・わたくし達とパーヂッ!」
「「・・・・・・」」
噛んだ・・・。
私とニアはフッと笑う。
エレナは真っ赤になって蹲った。
「わたくしの馬鹿、わたくしの馬鹿、わたくしの馬鹿ー」
どうしよう?本格的に可愛すぎるんだけどお嬢様。
見た目と中身のギャップに萌えを感じる。
あ、その後復活したエレナにパーティを申し込まれたので要証しました。
別にガチ勢でもないしね。一緒にまったりやって行こう。
これから楽しくなりそうだ。
テロン♪『クエストを達成しました』
『初めてのパーティ結成報酬
【祝福の魔石】 SP:3 』