17話 ボーナスタイム
評価ブックマークありがとうございます。
今朝確認したらジャンル別日刊ランキング5位に入ってました。
嬉しいです。
これからも付き合いのほどよろしくお願いします。m(__)m
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。もうしないからぁ」
ボス戦翌日。
理沙は必死に謝っていた。
というのも。
「まったく。駄目よ夜更かしなんてしたらっ。ほら、朝ごはん食べちゃってね」
「うぅー、ごめんなさい」
思いのほか【オオヅチリザード】との戦いが長引いてしまったため、『ログアウト』した時はもう深夜になっていたのだ。
そのため爆睡し、いつもならとっくに起きてくるはずなのに下りてこない理沙を心配したトメが見に行くとベッドの上にはオンラインギアが。全てを悟ったトメは激怒した。・・・といっても元々そんなに激しく怒る人ではないのだが。
罰として、一週間は夜の間オンラインギアを没収するということになった。
罰が夜の間だけというのは・・・やはり孫への甘さなのだろうか?
しかも一週間ぽっきり。罰というのは随分と軽い気がした。
「そんなに楽しかったの?」
「え?」
「夜更かししてまでやりたくなっちゃうくらい、面白かったんでしょう」
「あ・・・・。うんっ。とってもっ」
笑顔でそう答えると、おばあちゃんも笑ってくれた。
なんだか懐かしい気持ちになる。練習から帰ったらおばあちゃんといっぱい話して、おじいちゃんに褒めてもらえる。そんな毎日。
本当に欲しかったものって、実はたったこれだけの、小さいものだったのかもしれない。
食事の後は歯磨きして。再び自室に戻る。
「リンクスタートっ」
次は何を使用か。考えるだけでとても楽しみだった。
少し時間をさかのぼる。
私の前には文章の列が並んでいた。
『エリアボス討伐報酬』
『初討伐ボーナス』
『クエスト報酬』
後はレベルが2も上がっていた。
流石ボスである。
後1レベでスキルのトレードが可能になる。
私、スキル枠余ったままなんだけど・・・。
『武器を選んでください』
目の前に新しくそんな1文が増えていた。
ストレージに入っていたはずの【地の宝玉】が浮かんでおり、淡い光を生み出している。
これはつまり、宝玉と好きな武器を一つトレードってことなのかな?
ただ、選ぶものは決まっていた。【槍】
どうやら槍にも三種類あるらしい。
筒状の武器のランスに、突くことに特化したスピア、そして斬撃の可能なブレードタイプ。
私は当然ブレードタイプだ。
【地槍:オルム】レア度8 耐久100%
ATK110 DEF20 必要Str70 Vit50
効果:地属性付与 アーツ:《ブレイクランス》が使用できる
【オオヅチリザード】の勝利報酬。破壊の力を持った地属性の槍。その力は大地を揺らす。
手に入れたはいいけど、強すぎて装備できません。
必要能力値高すぎっ。
まあ、そのステータスに見合った性能ではあるんだけどね・・・。
『アリサ』 LV9F
種族:【ヒューマン】 称号:【スピードスター】
職業:【戦士】LV10 副職:【鍛冶師】LV2
HP:720+60+150→930÷2→465 MP:180
Str37+3+10→50(+6)
Agi21+10+20→51(+5)
Vit25+5→30
Dex16+2→18
Int6
Mnd11
スキル:
《短剣》Lv10《軽鎧》Lv1《鍛冶》Lv1《加工》Lv1《研磨》Lv2
《攻撃力上昇》Lv7《速度上昇》Lv3《槍》Lv7《》《》
SP:26+12→38
装備
頭部:なし
胴:【初心者のレザー・アーマー】
内着:なし
腕:【冒険者の篭手】
腰:【冒険者のベルト】
足:なし
靴:【敏捷の靴】
装飾
首:【隼の雫】
指:【フレンドリング】 なし
武器:【初心者の短剣】
HP465 MP180
ATK112+5(+1)+2(+1)→120
DEF60+14(+1)→75
SPEED112+12+6(+1)→131
MAT12
MDEF22
全然足りないねぇ。
これでも随分上がったんだけど。特にSPEEDがヤバイ。
一応、後の報酬も見てみようか。
『クエスト報酬』
『初エリアボス討伐報酬』
【キリングリング】 SP:5
『エリアボス単独討伐報酬』
【ボスバトルチケット】 SP:15
これはどういうことだろう?
クエスト報酬のSPって共通じゃないのかな?
もしかしたらその難易度によって差があるのかもしれない。
『【オオヅチリザード】初討伐パーティボーナス』
SP:35/人数割り 35000G/人数割り
ごめんなさいっ!
私パーティじゃないんですっ。
これってつまり、本来ならパーティで分配するはずだった物を私が総取りしてしまうってことだよね?
所持SP:38+55→93 所持金38326G
うっわぁ。
どうしよう。これ・・・。
ステータスと実際のレベルとの差がやばいことになってる。
正直どう扱っていいのか分からなかったため、私はその日は落ちてニアに相談することにした。
で、現在。
「・・・・・」
「・・・・・」ボロッ
そういえばニアもソロ狩りしていくって言ってたね。にヘー・・・
「・・・うらやま、うらやま、うらやま・・」
めっちゃ叩かれました。痛い痛いっ。
どうやらニアはあの後一人で鹿に挑戦していたらしい。その結果、召喚獣がいつものように『捨て身特攻』させる訳にもいかず、倒されたらクールタイムを待ってる間にHPを刈り取られて死に戻ったらしい。
その際、必死に反撃したものの物理攻撃力が紙だったためにまるでダメージが入らず、武器が無駄に消耗したと。
しかも初期装備の杖って木製だから私じゃ耐久値戻せないんだよね。
なんか色々悪いと思ったので、昨日ニアが買えなかったという杖を買いにいくことになった。
単純に戦力アップにもなるし、私の【携帯鍛冶セット】を買いに行くついでだから問題ない。
ついに装備が作れるぞーっ、やったぁー!
―――アリサはこれがまだサービス開始二日目であることは完全に忘れていた