11話 血反吐
話の一つにするには内容的にもかなり薄いものなので掲示板と一緒の日に投稿しました。
正直少女たちがただ戯れてるだけの話です。
※注)↑実際に吐く訳ではありません。
その掲示板。というかチャット?を見たアリサの感想は。
(めっちゃ話題になってるぅううううう!)
―――ヤンデレは放置
確かに大勢の前で暴れてしまったというのはあるけども。ていうかここの掲示板遭遇率高っ!
南門以外の全行動範囲で誰かしらに出合ってるという奇跡っ。いや大剣使い・・・フレットだっけ?以外は直接面識はないけども。
ただ、アリサのメンタルはまだこの時までは正常だった。
問題が発生したのは、あるスレを発見してしまったからだ。
『あの青髪美少女は何者?』
どう考えても自分だった。そして、関連記事という欄を見つけた時、アリサの運命は決まった。
「がっっっはっ!」
『青髪ちゃんは俺の嫁スレ』『青髪ちゃんは何処?スレ』『大天使青髪ちゃん。スレ』
ドサッ
それらを見て(中身読んだ)立っていられるだけのメンタルがアリサにはなかった。
きっと罵倒されるとか、直接的な攻撃だったならばアスリートで鍛えたタフネスで飄々と受け流すことができただろう。
しかし、褒めちぎり、嫁にしたい、ペロ付きたいなど(最後はアウト)のアイドル視、生理的に受け付けない言葉の数々を何百通と読んでいると悶絶を通り越して真っ青になった。
コレハナニ?
どうしよう。物凄く街に入りたくない。というか起き上がりたくない。
でも砥石とか買わないと武器の耐久とかヤバイし・・・。
「・・・ただいま。あ、アリ・・・さ?」
ダッと血相を変えたニアが駆け寄ってきた。
「アリサ! どうした!? だいじょ「ニアああああ!」ぶ? ・・・え?」
「ニアぁ。私、わたしぃ・・・あ、硬い」
「・・・・・・」
ゴンッ
「痛い・・・」
「・・・私より胸あった。裏切り者め」
ニアの胸は貧乳と言うより無乳でした。そして拳骨は痛かったです。一度全員がログアウトしたことでパーティ解除されてるから地味にHP減ってるし。
―――これがアリサの初めてのダメージだったが本人たちは気づいていない。
「・・・それで一体何があった」
「あー、実は」
―――少女説明中―――
「・・・・・ぷっ」
「ニア?」
「ぷ、あははははははははっ」
「ちょっとニア!?」
「あ、アリサ! それ、面白、あひ、あひ、あははははははははっ!」
「・・・・・・・・・」
ニアってこんな風に笑うんだね。ていうか普段よりめちゃくちゃ声弾んでるし。
でもなんていうか。
メッチャ腹立つっ!
「・・・ニア」
「あは、はー・・・何? アリ・・・」
ニコッ
『水色ショートのあの子に蔑まれたい!スレ』
「がっふ、げほっ」
痛み分け。というか復讐だ。
もちろん中身を開いて最後まで読ませた。
屍がもう一つ増えました。
「「ごめんなさい」」
互いに土下座。
二人ともさすがにやり過ぎだったと自覚しているのだ。
「それでどうしよっか、これ・・・」
「・・・もはやどうしようも・・別に直接被害は出てないし。でもエレナには内緒で「何がですの?」
ビックゥ!
二人は反射的に振り返り、サッと『それ』を隠した。
エレナはそれに眉を顰める。
「二人ともずるいですわ。わたくしだけのけ者にするなんてっ。何を隠していますの?」
「い、いやー。別に。ていうか絶対エレナは知らない方がいいと」
(余計なこと言わないで)
ニアの目が鋭かった。
私は口をつぐむ。ついでに開いてた画面もそっと閉じておいた。
「・・・これから買い物に行くプランを考えてただけ。ちょっと驚かそうとは思ってたけど。エレナ来るの速すぎた。まだこれからだったのに」
「まあっ、ニアったらまたそんな意地悪なことを考えていましたの? 嫌ですわよ。わたくしそう言うのは嫌いです」
なるほど。エレナはこうして騙すのか。まあエレナが自分で掲示板に気付くことはまずないだろうし、大丈夫だろう。うん。
『紫縦ロールのロケットスレ』『高飛車お嬢様のダイナマイトスレ』『悪役令嬢キタコレ!スレ』
これらはそっと閉じておこう。
知らない方がいいこともある。今日、私はそれを深く学んだ。
「じゃあ買い物いこっか」
「・・・おー」
「おーっ、ですわ!」
知らなくてもいいことはあるもの。次回は街でのお買い物です。
そしてついに副職が機能するように・・・なるといいね。




