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~庇護~

ヴァンハイトの一件から数日。

セファーナ達はバラハにやってきていた。


ここは大国の庇護下にある小国である。

この世界は大国の庇護下にある小国が大国の領土内に多数存在する。


国の数こそ多いが世界を支配しているのは実際は数か国である。

そんな小国にも腐敗は存在する。


セファーナ達はそんな小さな腐敗も見逃しはしない。

今までもそうしてきたのである。


「さてっと、行こうか。」

「はい、今回も悪い人にお仕置きですね。」


四葉はやる気満々である。

とりあえずヘイロンに従い情報屋の下へと向かう。


向かった先はいつものように裏通り。

今回も表向きは古書店である。


「ここですか?」

「そ、そんじゃ行きますかね。」


店に入る二人。

すると店主が声をかけてくる。


「何をお探しですか?」

「ディンゲンって著者の小説ある?」


その言葉に店主の顔色が変わる。

ディンゲンという著者は存在しない、それが合言葉である。


そうして店の奥に通される二人。

情報屋の合言葉は裏の酒場などでお金を払って知るものなのである。


「さて、何が欲しいのですか?」

「この国の政治家か国に関係する組織の人間の特に黒いやつね。」


そう言うと店主は奥の棚から書類の束を持ってくる。

特に黒いものはこれらしい。


「えっと、これは外務官僚ですよね。」

「はい、その中で地位の高い人になります。」


どうやら一番黒いのは外務官僚らしい。

書類を確認するとどうやら収賄疑惑のようだ。


他国に賄賂で便宜を図り裏取引をしているらしい。

当然それはこのバラハに不利益となるものだ。


さらには国に報告せずにやっているらしい。

国家転覆でも狙っているかのようである。


「裏取引ねぇ、何してんのさ。」

「聞いた話では外国の違法薬物を国内で売っているとか。」


違法薬物、それは人をおかしくするものである。

今でも世界各国に密売人が存在する裏産業でもある。


「国民に最近薬物で逮捕される人も出ているそうですよ。」

「つまりこの人がその薬を国内にばらまいてる?」


四葉はそうではないかと尋ねる。

店主もそれが今回の黒さの証拠だと言う。


「まさか国のお偉いさんが違法薬物をばらまくとか。」

「その手の薬は一度依存症になると廃人まっしぐらですからね。」


違法薬物の怖さも教えてくれる。

今回のターゲットはこの外務官僚で決まりだろう。


とはいえその違法薬物のルートも気になる。

恐らく密売人と繋がっていると見ていいはずだ。


ならその密売人ごとやってしまおうと考える。

そしてこの情報に決める。


ヘイロンは情報の値段を尋ねる。

その問いに店主は金額を提示する。


「ではこれぐらいで手を打ちましょう」

「分かった、ならほら。」


提示された金額は30000。

ヘイロンはそれに対し了承し現金一括で支払う。


「確かに、ではそれは好きにして構いませんよ。」

「ええ、ありがとうございます。」


そうして情報を手にする二人。

そのあと店主に礼を言い店をあとにする。


そうしてそのまま飛空艇に戻る二人。


飛空艇に戻るとシスシェナが待っていた。


「お帰り、情報は手に入ったかな。」

「うん、ほら。」


そう言って書類を渡す。

ヘイロンはそのまま部屋に戻ってしまった。


「あいつも相変わらず自由ね。」

「でもそれだけ信頼があるという事ですよ。」


ヘイロンへの信頼は大きいものがある。

だからこそ今の仕事が成立しているのだ。


「それでは私も部屋に戻りますね。」


そう言って四葉も部屋に戻っていく。

そのタイミングでセファーナが戻ってくる。


「情報は手に入りましたか?」

「ええ、こいつよ。」


その書類を確認するセファーナ。

確認を終えるとそのまま部屋に戻り情報の精査に移る。


そしてそれに合わせるかのようにレイネが戻ってくる。


「あら、仕事は順調みたいね。」

「そうね、今じゃ役割分担も出来てるし。」


今はメンバーの役割も決まっている。

だからこそ仕事もスムーズに進むのだ。


レイネも資金稼ぎ担当として立派にその務めを果たしている。


「まあ私はそれぐらいしか出来ないもの。」

「でもレイネがお金を稼いでくれるから食べ物にも困らないのよね。」


レイネは酒場など短期で高給な仕事を選び確実にお金を稼いでいる。

その世渡りの上手さは大したものである。


「さて、それじゃ私はこれを運ぶから。」


そう言ってレイネはキッチンへ向かう。

シスシェナもそんな今のチームに暖かさを感じていた。


とはいえ自分達のしている事が正しいとは思っていない。

いつの日か裁かれるときがくる、その日まではこの暖かさを噛み締めよう。


そうしてシスシェナも部屋に戻りすべき事をする。

一方のセファーナもフェラナと情報を確認していた。


「どうでしょうか。」

「違法薬物か、かなり黒いと見て間違いないだろうね。」


フェラナも黒いと判断するには足ると言う。

今回のターゲットはこの外務官僚で決まりとなった。


その正義は小さな腐敗も見逃さない。

網からは逃げられないのである。


その正義に裁きが下るその日まで戦い続けるのである。

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