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~寒冷地~

フィルニール王国の仕事から数日。

セファーナ達はカロッサ王国に来ていた。


この国は雪国にある小国である。

夏場でも気温は涼しく、避暑地としてもよく使われる。


セファーナ達は早速この地に降り立ち仕事に動く。

今回も力を借りる事になる例の奴らの下に向かう事に。


「さて、行くか。」

「だね、今回の狙いは誰になるのやら。」


そう言ってヘイロンとカリーユは街へと繰り出す。

街を眺めつついつものように裏通りへと入っていく。


裏通りを散策し目的の店の前に到着する。

そこはどうやら鍵屋のようだ。


「ここだね、それじゃ入るよ。」

「ああ、鍵屋…。」


鍵屋に入る二人。

そこにいる店主に声をかける。


「ごめんよ、硬い扉の鍵はあるかな。」

「そっちか、奥に来い。」


そう言って店主は店の奥に案内する。

二人はそれに従って店の奥へと進む。


「さて、何が欲しいんだ?」

「政治家か国に関係する組織の偉い人、特に黒いやつ。」


いつものように情報の事を説明する。

店主は奥の引き出しから一つの書類の束を持ってくる。


「こいつでどうだ。」

「えっと、こいつは外交官か?」


その書類に書いてあったのは外交官だ。

どうやらこの国で今一番黒いのは外交官らしい。


「そいつの事は書いてある通りだ、黒さは特に黒い。」

「えっと、外国から賄賂をもらって国に労働者として受け入れ…。」


どうやら外国に便宜を図っているらしい。

それによりこの国に住まわせ労働者として優遇するらしい。


「その外国ってのが厄介でな、イチャモンにかけては世界一とも言える。」

「それってもしかしてあの国かな?関わりたくない相手だねぇ。」


ヘイロンは心当たりがあるらしい。

この四十年でその国だけは意図的に避けていたのも知っている。


「その国と蜜月らしくてな、この国に移住させる事まで合意したらしい。」

「おいおい、そんな事したら法則が発動しちまうじゃんか。」


ヘイロンはその国の事は知っているらしい。

だが詳しくは話そうとはしない。


「どっちみちその話を潰すってんなら、そいつは歓迎だ、そうだろ。」

「まあそりゃそうだ、あんな奴らに来られたらこの国は大変な事になる。」


詳しくは話してくれないが法則があるらしい。

今回の仕事は絶対にやるべきだとヘイロンは考える。


「うっし、ならこいつを買うよ、おいくらになる?」

「そうだな、ならこれで手を打とう。」


提示された金額は15000ほど。

ヘイロンはそれに首を縦に振り現金を渡す。


「確かに受け取った、あとは好きにしろ。」

「ああ、すまないな。」


そうして情報を手にした二人。

情報屋はもう一つ警告をしてくれる。


「この国にはすでに例の国の人間が入り込んでる、目が特徴だから気をつけろ。」

「分かった、教えてくれてサンキュね。」


礼を言って二人は店を出る。

店を出た二人はこの国の名物の雪アイスを購入してそれを食べてから帰る事に。


「たまにはいいもんだろ?」

「僕はこういうのはあまり好かないんだが。」


文句を言いつつもカリーユはアイスを完食する。

それをヘイロンはからかっていた。


「さて、さっさと戻るぞ。」

「だね、行きますか。」


そうして二人は飛空艇に戻る。


飛空艇に戻るとシスシェナが出迎えてくれた。


「お、お帰り、情報は手に入ったかしら。」

「手に入ったよ、はい。」


そう言って書類の入った袋を渡す。


「そいつは渡しといてね、そんじゃ。」


そう言ってヘイロンは部屋に戻っていく。

カリーユも部屋に戻り、そのタイミングでセファーナが戻ってくる。


「戻りましたよ。」

「おう、お帰り、こいつはヘイロンからよ。」


セファーナに書類の入った袋を渡す。

セファーナもそれの中身を確認する。


「確かに、では私は戻って精査しておきますね。」


セファーナは部屋に戻る。

すると今度はレイネが戻ってくる。


「あら、その様子だと仕事は順調みたいね。」

「ええ、特に問題もなくね。」


いつものように食材を抱えるレイネ。

今では料理担当はレイネになっているのだ。


「今夜はお肉よ、期待しておいてね。」

「やった♪ならお腹空かせておかなきゃ。」


今夜は肉らしい。

レイネは聖職者ではあるが、特に気にせずになんでも食べる。

元シスターとはいえそういったしがらみはないようだ。


「それじゃこれは運んでおくわね。」

「ええ、今夜は期待してるわよ。」


そうしてレイネはキッチンへ向かう。

シスシェナも出来る事をしておくべく部屋に戻る。


一方の部屋ではセファーナが情報を確認していた。


「どうでしょう。」

「これなら間違いないだろうね、今回のターゲットは外交官か。」


外国から賄賂をもらい買収された外交官。

国を守るために移民を選ぶのは大切な事である。


移民とは短絡的な受け入れでは決して成功はしない。

明確な目的を持った好意的な移民のみを受け入れるのも決断なのである。


「とりあえず残りのピースは頼んでいいかな。」

「ええ、お任せを。」


そうして残りのピースを集める事に。

セファーナの目的はまだ達成されていない。

そのためにも今はその名を認知させる事からだ。


その正義に賛同する者、それは未来の一つの形となるのである。

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