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~初仕事~

ワイマール王国の仕事から数日。

セファーナ達はフーバー王国にやってきていた。


今回からは情報はヘイロンが集めてくれるという。

監視としてカリーユをつけ仕事を見張らせる。


セファーナはレイネと一緒に資金稼ぎをする事に。

ヘイロンが本当に見合うだけの腕を持つのかも確かめる。


「さてっと、始めるとしますか。」

「本当に情報を集められるんだろうな?嘘だったら許さないからな。」


カリーユは疑っている。

ヘイロンはそれに対し笑顔で返す。


「そんなの簡単な事だよ、とりあえずしっかり見とけよ。」

「いいだろう、ただし僕の視線から外れたら斬るからな。」


カリーユは本気の口調でそう言う。

ヘイロンも軽い口調でカリーユをなだめる。


「おっかないねぇ、それなら見せてあげるよ、情報屋のやり方をさ。」

「ならさっさと行くぞ、時間を無駄にはしたくない。」


そう言って二人は街に繰り出していく。

ヘイロンは街に出ると大通りには目もくれず裏通りへ入っていく。


「おい、情報を集めるんじゃないのか。」

「集めるよ、それにはね、おっ、ここだ。」


そこは裏通りにある古物商だった。

カリーユはわけが分からないままヘイロンについていく。


「はーい、じいさん、頼みたい事があるんだけども。」

「ヘイロンか、その様子だとあっちの事だな。」


古物商の店主とは知り合いのようだ。

店主が言葉を続ける。


「なら奥に来い、そっちが目的だろ。」

「はいよ、カリーユ、ついてきな。」


カリーユはわけが分からないまま店主に店の奥に通される。

奥に入ると店主は口を開く。


「あんた、誰かの仲間になったのか?」

「まあね、巷で噂の人に仲間にしてもらった。」


その言葉で店主は察したようだ。

そうして交渉が始まる。


「とりあえずこの国の警察でも政治家でもなんでもいいから黒い情報ね。」

「そっちかよ、なら少し高くつくぞ。」


金を取るらしい。

カリーユはそのやり取りでやっと察したようだった。


「あんた、まさか情報を扱ってるのか?」

「そうだぜ?世界にはネットワークがあってな、情報の売買がされてる。」


古物商は表向きの顔、裏の顔は世界にネットワークを張る情報屋だという。

まさか世界中に情報屋が存在するとは、今になって知る事実だった。


「そんでおいくら?お高いんでしょ?」

「そうだな、顔見知りって事でこんだけだな。」


その金額は9000ほどだった。

顔見知りの値引きでこの値段らしい。


「もう少し高くつくと思ったよ、そんじゃほら。」

「毎度、そんじゃ情報だ、欲しいのはこいつだろ?」


そう言って出されたのは書類の束だった。

カリーユに確認を要求するヘイロン。


「…確かにな、でも偽物じゃないよな?」

「そいつは問題ない、本物の証明が入ってるからな。」


そう言って書類を光にかざす店主。

すると奇妙な術式らしきものが透けて見えた。


どうやら情報屋の信頼の証として特殊な紙を使っているらしい。

紙に書き記した情報が本当ならこの術式が浮かぶ特殊な紙だという。


「ってわけさ、分かってくれたか、ハーフエルフのお嬢さん。」

「そこまでか、それなら信じていいんだな。」


そう言って店主はその書類を束ね中の見えない袋に入れる。

それを渡しヘイロンに言う。


「そいつは使ったら勝手になくなるからな、いつも通り処分はしなくていい。」

「はいよ、にしても相変わらず便利な紙だねぇ、技術ってすげぇわ。」


カリーユはそれが本当なのかと問いかける。

店主は紙の事を簡単に説明してくれた。


「そいつはさっきも言ったが魔法系の技術なんだ、高級品だぜ?」

「そんなものを当たり前に使うのか、まあ証拠を残さない意味なら安いのか。」


店主とヘイロンもその程度は安いという認識のようだ。

とりあえず礼を言い店をあとにする。


「信じてくれる気になった?」

「…それでも三ヶ月は監視下だ、忘れるなよ。」


厳しいものの信頼を得るまでは監視下に置く。

ヘイロンはそれに笑顔で同意する。


そうして二人は飛空艇に戻る。


飛空艇に戻るとシスシェナが待っていた。


「お帰り、情報はつかめたかしら。」

「問題ないよ、セファーナは帰ってる?」


今はまだ帰っていないらしい。

もう少ししたら帰ってくるだろうとの事で書類をカリーユに預ける。


そうしてヘイロンは部屋に戻ってしまった。

シスシェナも何もないという事を確認するためにヘイロンについていく。


そのタイミングでセファーナとレイネが戻ってくる。


「戻りましたよ、カリーユ、仕事の方は?」

「こいつだ、証明は確認したからあとは任せる。」


そう言って袋をセファーナに渡す。


「分かりました、それでは私は確認をしておきますね。」

「カリーユもお疲れ様、あとで好きな蒸鶏を作ってあげるわね。」


そう言ってセファーナは部屋に、レイネはキッチンへ向かう。


「まったく、僕だっていつまでも子供じゃないぞ…。」


文句を垂れつつもカリーユも部屋に戻る。

セファーナは部屋でフェラナと共に情報の精査だ。


「この紙に書かれた情報なら間違いないね、ただこれでも七割かな。」

「ならあとの三割は明日以降ですね。」


そうして残りは明日以降セファーナがやる事に。


そうして日が暮れていき明日以降に備える。

ヘイロンの仕事はそのネットワークを使った情報屋らしいものだった。


その仕事ぶりは世界にさらに名前を響かせるのである…。

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