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~入隊式~

それから日は過ぎ入隊式の日がやってきた。


セファーナも襟を正し正装に着替え王城へと向かう。

部屋を出るとアーベルとゼノンに出会う。

そして二人と共に王城へと足を進める。


そして王城、他にも多くのテスト合格者が既に到着していた。

緊張しているがどこか胸が躍るセファーナ。


「いよいよですね…。」

「そうだね、僕達もいよいよ騎士になるんだ。」

「私達の新たな生活の始まりですね。」


そうして式が始まるまで落ち着かない様子だった。

それから時間が経過し入隊式が始まる。


目の前にドレス姿の女性が現れる、彼女こそこの国の女王である。

そうして女王が口を開く。


「よくぞ集ってくれた、この女王アーゼルハルトに忠義を誓う騎士の卵達よ!」


新人騎士達が一斉に敬礼をする。


「それではこれより騎士勲章の授与を行う、名を呼ばれた者から前へ!」

「最初は、アーベル・アヴェルトマ!」

「はっ!」

「汝、アーベルよ、汝に女神エルミナスの加護があらん事を。」


そうしてアーベルに騎士勲章が授与される。


その後も次々に名が呼ばれセファーナの名が呼ばれた。


「続いてセファーナ・アルトリオ、前へ!」

「はい!」

「汝、セファーナよ、汝に女神エルミナスの加護があらん事を。」


そうして女王自らの手により騎士の胸に勲章が付けられる。

その後も名が呼ばれ新人騎士約200人への勲章の授与が終わる。


「これより汝達は我がエルミナス王国の騎士である、気を引き締めよ!」


その言葉に騎士達は一斉に返事を返す。


「女神エルミナスの名の下に、我ら忠義を誓います!」


そうして授与式のあとは休む間もなく配属テストが始まる。

この配属テストは新人騎士同士が一対一で模擬戦を行うというもの。

それにより配属が決まるのだ。


会場を移動し各自待機しているとエルピスが現れる。

そして説明の後エルピスが名を読み上げる、最初はアーベルのようだ。


「最初の模擬戦はアーベル!そしてヘイグ!」


二人の登場に会場は緊張に包まれる。

アーベルは少し硬いようだが問題はなさそうにしている。


「今回は勝ち負けじゃない、とはいえ負けはしませんよ。」


そうして模擬戦が始まる。


ヘイグが先手を仕掛ける、どうやら槍を使うようだ。

一方のアーベルは剣、相性では不利だ。


ヘイグが素早い突きからなぎ払いを仕掛ける。

だがアーベルはそれを身を小さく動かして回避する。

その様子は訓練されたものだとセファーナは一目で見抜いた。


その後もヘイグは休む間もなく攻めを続ける。

だが一瞬の隙をアーベルは見逃さなかった。

アーベルの剣がヘイグの首元に突き付けられる。


「ま、参りました…。」

「勝者!アーベル!」


こうしてアーベルは勝利を収める、あとは決定待ちだ。

その後も名が呼ばれる。

ゼノンはヒースという相手と戦ったが問題なく勝利を収めたようだ。


そしてセファーナの番がやってきた。

相手はハンデンという体格のいい男になる。


そして試合が始まった。


ハンデンは長剣で上手く攻めを組み立ててくる。

だがセファーナはそれを清流のように避けていく。

それを見ていたエルピスも驚いた顔をしていた。


ちなみにセファーナはサーベルを使う。

反撃に出たその剣捌きは上官の騎士達をも驚かせた。


その後もハンデンの攻撃は繰り出されるもののセファーナは回避をする。

そして一瞬の間を確実に捉えた。

セファーナは相手の剣を受け流しつつそのまま反撃を繰り出したのだ。


反撃に反応出来ないままハンデンの剣が弾き飛ばされる。


「ま、参りました…。」


そうしてセファーナはまるでショーのような戦いを終える。

新人騎士達はそれを見てどよめいていた。


その後も次々に名が呼ばれ正午になる頃にテストが終了する。

配属は翌日騎士団本部の掲示板に貼り出されるそうだ。


そうしてエルピスは言葉を続ける。

配属決定は明日だが今日から騎士団の寮が使えるとの事。

部屋割りは先輩一人に対し新人が数人で割り当てられる。


そうして明日の発表を待ちながら寮へ移動する新人騎士達。


セファーナの部屋割りは先輩のリリーシェ、新人のスコットとケーシーが同室だった。

リリーシェは先輩の女騎士で遊撃隊の小隊長だそうだ。


「貴君がセファーナか、宜しく頼む。」

「はい、あとスコットさんとケーシーさんも。」

「ああ、宜しく頼むよ。」

「しかし男女共同とは…この国はそういうものなのか?」


それにリリーシェは説明する。


「騎士たる者理性を保つのも求められる、だからこそだ。」


それにスコットとケーシーは苦笑いを浮かべる。

ただでさえ年頃の世代なのにドキドキしないはずがないからだ。

リリーシェの説明は続く、風呂も混浴だそうで二人は顔を赤くする。


とはいえ決まってしまったものは仕方がない。

そうしてリリーシェから説明を受けつつ日が暮れていった。


その後寮の食堂で食事を摂り入浴を済ませた。

そうして翌日の発表を待ちつつ眠りについたセファーナ。

配属が決まったら新人騎士としての日々がいよいよ始まるのである。


だが現実の壁は確実に、そして少しずつ迫っている。

騎士としてその名に恥じぬように、それを誓うセファーナなのだった。

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