表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/86

~災害~

飛空艇に乗りアルゴー村へと向かうセファーナ。

王都の方は騎士団に任せておけば問題ないだろう。


飛空艇なら徒歩と船の距離の半分以下の時間で村まで行ける。

家族や仲間達は無事なのか、それだけが今は気がかりである。


そうして不安を募らせている間に村に到着する。


「着いたわよ、いつでも拾えるように待機してるから行ってきなさい。」

「はい、それでは行ってきます。」

「しっかりと守ってやるからな、任せろ。」


カリーユも頼もしくなったものだ。

そうして二人は村へと足を進める。


村の入口、見張りの兵士が立っていた。

ここは国境に一番近い場所故に拠点としたのであろう。


セファーナとカリーユは一気に飛び出し兵を気絶させる。

そしてそのまま正面から村へと突入していく。


「敵だ!相手は二人!一斉にかかれ!」


その号令と共に大勢の兵士達が襲いかかる。

だがそこは力を使い一掃する。


そのまま家族や仲間達の救出に向かう。


家族はや仲間達は教会の地下に監禁されているらしい。

正面から兵士達をなぎ倒しつつ教会の地下に急ぐ。


「上が騒がしい…敵襲か?」


確認に行こうとした見張りを一撃で気絶させる。

そして監禁部屋の扉を剣でぶち破る。


「お父様!みんな!」

「無事みたいだな、何よりだ。」


そこには父や母、警備隊の仲間達もいた。


「セファーナ…お前どうして…。」

「まさかあなたが助けにきてくれるなんて…。」


久しぶりに再会した父と母は少し痩せているが健康に問題はなさそうだった。


「みなさん!ここから出ましょう!兵達を追い出すんです!」

「いいね、暴れたいと思ってたし…やってやろうか!」


村民達は武器を手に取り建物の外へと飛び出していく。

外からは兵士達の倒される声が聞こえていた。


セファーナとカリーユも外に行こうとする、すると呼び止められた。


「あなた、強くなったのね。」

「はい、私はもう迷いは捨て去りましたから。」


レイネはそのセファーナの顔に何かを感じ取ったようだ。


「セファーナ、レイネ、君達も行こう。」

「軍を村から追い出すのです。」


父と母も武器を手に戦う覚悟のようだ。

そうして建物から飛び出すセファーナ達。


外では村人達が兵士達を次々と倒していた。

父と母は怪我人の救護などに力を注ぐ。


そんな中一人の大男が現れる。

どうやら八年前の炎上の首謀者のようだ、そして見捨てられた大将でもある。


「まさかあのときの小娘が生きて戻ってくるとは、これも運命か。」

「あなたが…あのときとは形勢逆転ですね。」


するとその大将は嬉しそうに笑う。


「ククク、強くなったのだろう?私を楽しませてもらえるのか。」

「望むのなら…私はここであなたを討ちます。」


その言葉にカリーユも賛同する。

大将はそれに対し笑みを浮かべ言う。


「ならば二人でこい、言っておくが…私は甘くないぞ!」

「それは私もですよ、カリーユ!あなたの強くなった剣、見せるときです!」

「ああ!僕だって強くなった、こんな奴に負けはしない!」


そうして大将との戦いが始まる。

一方そのころレイネは空から村の様子を確認していた。

その中でセファーナ達の飛空艇も発見する。


「あんた生きてたのね、よかった。」

「はい、シスシェナさんもご無事で安心しました。」


空での会話、下では反撃が始まっていた。


「ククク、そうでなくてはな!!」

「流石に強いですね…でも、負けはしません!」

「甘く見るなよ、ぶっ潰してやる!」


そうして大将との戦いが続いている。

だが戦っている最中にセファーナは違和感を感じ取る。

その違和感は足元から、気のせいかと思いそれを振り切りつつ戦いを続ける。


だがその違和感は間もなく現実となった。

突然大きな揺れが襲う、大地震だった。

村人も敵兵もその場に倒れ込み村の建物が崩壊を始める。


「ぬうっ!?このような事…聞いておらぬ!」


セファーナ達も立っているだけて精一杯。

そんな中上から声がする。


「セファーナ!カリーユ!乗りなさい!このままじゃ死ぬわよ!」

「でも…村のみんなやお父様とお母様が!!」


だがその大きな揺れに助けにいくのは無理だと悟る。

二人は飛空艇に飛び移りなんとか難を逃れる。


空から見たその光景にセファーナは言葉を失う。

村が崩壊し全ての人が瓦礫の下敷きになってしまった。

揺れはエルミナス王国全土、さらには隣国のグラマン王国にまで及ぶ。


当然王都でも大きな揺れが襲っていた。

城壁が崩壊し建物も崩れ多くの騎士達が生き埋めになったのは確かだろう。


揺れが収まったら…だがこの瓦礫を除去する事は困難を極める。

レイネだけは空にいたため難を逃れていた。


「どうして…どうして…っ!!」

「セファーナ…自然の力の前に人は無力です、それは古来よりの絶対です。」


レイネはそれしか言えなかった。

飛空艇はそのままその場をあとにする。

レイネもそのままついてくる事となった。


揺れが届いていない比較的安全な近くの国に移動する。

今後の事を確認するために。


せっかく助かった命が今度こそ霧散してしまった。

それは運命のいたずらか、それとも罰なのだろうか。


暁が完全に月に陰るのはもう止められないのだから…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ