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~五年~

ペリアン王国の一件以来五年が経過していた。

それまでもセファーナ達は世界中で悪人を断罪した。


そして今はミューア公国に来ている。

今でも仕事は続けているのだ。


「ん、いい空気です。」

「相変わらずだな、あれだけやってまだ続けるのか。」


カリーユも成長して立派な女性になっていた。

とはいえ外見的には美青年のような顔立ちではある。


「とりあえず仕事です、行きますよ。」

「はいはい、了解しました。」


そう言ってこの国でのターゲットと仕事を探す。

この五年で腕はさらに磨かれスキルも増えていた。


ちなみにミューア公国は商業国。

世界中から商人が集まる国だ。


「珍しいものがたくさんありますね、何か一つぐらい買いますか。」

「好きにしろ、金ならあるんだろ。」


そう言ってセファーナは店を見て回る。

そんな中珍しいものが目に留まる。


「これは…本でしょうか?」

「見りゃ分かるだろ、でもなんの本だ?」


すると店主が説明してくれる。


「こいつは剣術書だよ、異国の書物だが興味あるか?」


どうやら異国の剣術が記された書物らしい。

なぜそんなものがあるのかはともかく、興味はあった。


「買うかい?売れ残りだからまけてやるぜ。」


一割の値引きをしてくれるそうだ、使えるのなら買うのもありだろう。

とりあえず一割引きの6000でその書物を購入する。


「どうもな、大切に読めよ。」


とりあえずその場をあとにして剣術書に目を通す。


「これなら僕はやれそうだな、見てろよ。」


そう言ってカリーユは本を見た後技を試し撃ちする。

簡単に会得してしまった辺りセファーナもカリーユの才能を認めていた。


「やりますね、私には無理そうですしその技はあなたのものですよ。」


カリーユはその技を自分のものとして少し強くなった気がした。

その後ターゲット探しを再開する。


すると近くの屋敷の前で何やら人が立っていた。

その人に話を訊いてみる事に。


「あの、この屋敷に何かあるんですか?」

「ん?この屋敷かい?この屋敷は悪徳商人の屋敷さ。」


どうやらこの屋敷は悪徳商人が住んでいるらしい。

国にもマークされているが簡単には逮捕に至らないそうだ。


「その悪徳商人は具体的に何をしたんですか?」

「オカルト商法らしいね、法外な金額で物を売りつけてるとか。」


つまり効果などないものを高額で売りつけているそうだ。

今回のターゲットはここに決めた。


「金に物を言わせて私兵とかも雇ってるからあまり刺激しない方がいいよ。」


どうやらかなりの富を溜め込んでいるようだ。

その商人の情報を集める事にした、街で何か聞き出せないか探る事に。


街の噂などを聞く限り、やはり詐欺で金を稼いでいるらしい。

ターゲットはその悪徳商人で決定だ。


ついでに短期求人も探しにいく。

すると商店の棚卸しの仕事の募集があった。


仕事はそれに決め再び街でさり気なく情報を集める。


その悪徳商人に関してはよくない噂がどんどん出てきた。

相当に黒い相手のようだと確信する。


「ターゲットは決まりですね、明日から情報を集めますよ。」

「分かった、僕もやれる限りはやらせてもらう。」


そうして仕事が始まる。

一旦今日は飛空艇に戻り今後に備える。


「さて、何かとしないと。」

「僕は剣の練習でもしてる、それじゃな。」


そう言ってカリーユは一人で行ってしまう。

そんな中シスシェナが声をかける。


「あら、仕事は決まったのかな?」


ターゲットについて説明する。


「なるほどねぇ、確かに黒そうな奴だわ。」


同じ商人としてその悪徳商人を許せない気持ちはあるのだろう。

シスシェナはその相手をターゲットに相応しいと決める。


「それでは今ある情報の整理をしてますから。」


そう言ってセファーナは部屋に戻っていく。


部屋の前にはフェラナが立っていた。


「お帰り、相手は決まったかな?」

「はい、決まりました。」


そのまま部屋に入り情報の整理をする事に。


今日聞いた情報だけでも相当に黒いという事が分かる。

明日からは仕事と情報集めだ。


「ここまで黒そうな相手なら手は抜かなくていいかな?」


フェラナも今回ばかりは本気のようだ。

普段は気だるげにしているフェラナが珍しくやる気を見せる。


「あとエルミナス王国については結構集まってるよ、どうする?」


この五年でエルミナス王国についてもかなりの情報が得られている。

戻るにも足るだけの情報は揃ったのだ。


「今はこの国の仕事が先です、それから考えますよ。」


あくまでも今はこの国が優先。

だがエルミナス王国に行く決意は固まっていた。


今ある情報を確認した後夕食にする。

そのまま日が暮れていきこの国の仕事の幕が上がる。


運命の歯車は刻まれ続ける、その光が陰るそのときまで…。

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