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~島国~

西の海洋国家カティスに来ているセファーナ達。

温暖な気候のこの国は海に囲まれた島国である。


海運業が盛んで魚などを好んで食べる国でもある。

セファーナ達も早速仕事の準備を始めていた。


「んー、いい日差しです。」

「呑気なもんだな、あんたは大悪党なのに。」


カリーユは嫌味にも聞こえる声でそう言う。

セファーナもそれを知った上でカリーユの言葉を受け止める。


「さて、では行きますよ。」

「はいはい、さっさと下見を終わらせるんだろ、行くぞ。」


そうして街へ繰り出す二人。

一方のシスシェナは今のうちに飛空艇の整備だ。

フェラナもエルミナス王国の情報を整理しまとめている。


セファーナ達は街で大きな造船ドックを見つける。

興味深そうにその建物を眺めるセファーナとカリーユ。


すると中から作業員が出てくる。

二人は彼に話を聞く事に。


「おや、見学希望かな?」


作業員が二人にそう問う。

本当は違うのだがあえてそれに乗っかり見学させてもらう事にした。


造船ドックの中へと足を踏み入れる二人。

今は重巡洋艦と潜水艦を造っているそうだ。


「凄いだろ、作業時間外は短い時間だけど見学も出来るなんてさ。」


二人はその大きな姿に度肝を抜かれていた。


「こんな大きな船を造るなんて凄いですね。」

「全くだ、海洋国家ってだけはある。」


それに対し作業員が答えてくれる。


「この国は海軍に軍事費の半分以上を使ってるからな、当然だよ。」


それは島国特有の軍事事情だった。

陸軍と空軍は本土防衛に回し海に鉄壁の布陣を敷く海軍。

そうする事で外国からの侵略に対し上陸される前に食い止めるのだ。


「国によって軍隊の事情も様々なんですね、世界は広いです。」

「そうだな、前に行った国とかだと軍隊は騎士だったりとかだし。」


作業員はそれに対し国の事情も話してくれる。


「陸続きなら騎士みたいな陸軍なんだがな、まあ島国の強さでもある。」


確かにそうだ。

エルミナス王国は王都を海軍が守り国境を陸軍が守っていた。

正確には陸軍、つまり騎士とエルミナス軍、つまり海軍と空軍だ。


今の時代機械は高額とはいえ最低限の軍備を持つ国は珍しくない。

技術こそ発展途上だが世界各国でその研究は進められている。

技術の軍事転用は当たり前に行われてもいるのだ。


「でもいいものを見せていただきました、感謝します。」


セファーナは作業員に頭を下げる。

作業員も嬉しそうにしていた。

その後造船ドックをあとにする二人。


二人はそのまま街の下見を続ける。

そんな中街の人の噂話を耳にする。


どうやら海軍の中将が密かに軍事情報を隣国に流しているらしい。

その主婦らしき女性の夫がそれをこぼしていたそうだ。


セファーナはターゲットを決める。

一旦その事について情報を集める事にした。


そのまま下見を終え飛空艇に戻る二人。

明日からはターゲットについての情報集めだ。


とりあえず今日はターゲットについて再度調べる事に。

そんな中フェラナもその仕事に乗り気だった。


「あたし達はさ、正しいなんて思ってないよ、それでもやらなきゃ。」


フェラナ自身内部告発により追放された身だ。

それもあってか彼女なりの正義と信念はそこにある。


「そうですね、必要悪があったとしても悪い事は許せませんから。」


それもセファーナなりの正義なのだろう。

世の中には必要悪が存在する。

この世界から悪や争いがなくなればそれはディストピアと変わらない。


国も世界も適度に争いがあり警察や軍が仕事をする。

それこそが平和なのだという事も承知している。


「では今回のターゲットも決まりましたし、明日からは情報収集ですね。」

「集まったら教えて、仕事はしてあげるよ。」


そう言ってフェラナは自室に戻っていく。

それと入れ違いでシスシェナが戻ってきた。

飛空艇の整備は終わったようだ。


大きなメンテナンスはプロに任せるが、簡単な整備は出来るらしい。


「はぁ、疲れた、あんた達もお疲れさん。」

「ああ、そっちもな。」


カリーユがシスシェナを見て笑みを浮かべる。

顔にすすが付いていたようだ。


そのまま日が暮れ夕食に。

今日は街で買ってきた海産物のメニューが並ぶ。

セファーナもターゲットの中将について少し調べていた。


それを説明した上で明日からは仕事が始まる。

短期求人の仕事先にも行く事になるのでそっちもきちんと準備をする。


この国での仕事は強敵が相手。

抜かりなく進めるために様々な道を確保してある。


そうして明日からこの国での仕事が始まるのてある。

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