―入学式前日―3
サクサク進まなかった。無念。
本当は3で入学式前日を終わらせるつもりだったのにっ…!
次回で終わらせます!必ず!
最近、静の様子がおかしい。
いや、おかしいというより、今までそこそこであったヤンデレの値がここにきて異常に高くなったというところなのだろうか?
そもそもなぜ、私にヤンデレの脅威がふりかかろうとしているんだろう。
まあそれは置いといて先に、傍から見て神埼静に押し倒されている吉崎遙、という卑猥な体勢のこの状態から抜け出すことが先決だ。
「静、邪魔だよ。退いて?」
出来るだけ優しく、言ってみた。
「………」
静、無言。
効果なし。
チクショウ。ちょっとだけ可愛く言ってみたのに。
吉崎遙に5ダメージ、である。
「しーずか。私に言いたいことがあるの?」
その言葉に、ピクっと肩を揺らした静。
おおう。何か私に言いたいことがあるようだ。
しかし、この前フリからして、嫌な予感しかしないんだけど…。
「どうしたの、言ってみなよ?」
そう言うと、静はずっと俯かせていた顔を上げ、言った。
「なぁ遙、高校デビューって何?モテたいのか?遙の魅力なら、俺が知ってる。それでいいだろ?」
……目、据わってるんだけど。
「いや、ね、静君。私は決してモテたいわけではなくてね、可愛いくて優しい女の子がどういう仕草をしたらイケメンたちは落ちるのかっていうのがね、知りたかっただけなのよ?分かる?」
あながち間違ってはいないと思う。
正確に言ったら違うのだけど。
しかし本当の理由の、ここが乙女ゲームの世界なので、主人公に対抗するために主人公というものがどういうものなのかを勉強してましたなんて言ったら変人確定だ。
「それって、さあ。男を落とすための方法を身につけたいってことだよな?」
あ、あれ?私の弁解って、ひょっとして逆効果?
「い、いや。違うから。私女の子大好きだから。主人公の女の子の顔めっちゃ好みだから」
だから、乙ゲーを…って…ん?今私、妙なことを口走ったような…。
しかし時すでに遅し。
私の言葉は、静にいらん誤解を与えてしまったようで…。
静は再び青い顔をして、
「遙っ!お前、まさか女にしか興味ないとか、女しか好きになれないとかいう人間なのか!?」
爆弾を落とした。