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―体育祭実行委員―

お久しぶりです!(・´ω`・人)

今回は体育祭準備期間の話です。



※文章が消えてた部分があったので修正しました。

5月に入ると体育祭の準備が始まった。

教室内では時々楽しそうに何の競技にするか、などの会話が聞こえてくる。

6月の体育祭までまだ1ヶ月あるのに…。




うちの学校は中々の進学校ではあるけども、運動部の全国大会の常連でもあるから、体育祭のレベルが非常に高い……らしい。


県外からたくさんのお客さんが来るそうなので、校長を始め教師陣、生徒、皆浮き足立って落ち着かない。


「この高校がそんなに有名だったなんて、初めて知ったよ…」


体育祭実行委員会議なるものが行われる、体育祭作戦本部もとい第2会議室で頭を抱え、呟く。


思わず呟いたその声は隣の静にも聞こえたらしい。

大袈裟なくらいの溜め息をつかれた。


「遙、くどい」

「だってー!」

「もうその台詞5度目だ。いい加減諦めろ」

「嫌だぁぁあ!」


なんで実行委員の会議に学級委員が出席しなければならん!

実行委員いるなら学級委員いらんだろ!

と言いたいところだが、話に聞くところによると、LHR(ロングホームルーム)での種目決め、体育祭書類の提出、授業外での練習の管理。

すべて学級委員の仕事らしい。

……泣くぞ?私は。


今まで基本我関せず、楽観主義を地で貫いていた私にとって、最近の目まぐるしい環境の変化は苦でしかない。


主人公の恋愛イベントには巻きこまれるわ、面倒事は押し付けられるわ、散々だ。

ストレスでハゲ死ぬぞー。


さらに今回そのストレスを助長させているのが…。


「もうっ!だめだよっー!静かにしないと、もうすぐ生徒会の人が来るんだからっ!」


「ウンソウダネー。イゴ、キヲツケルヨー」


ハハハ、と乾いた笑いが漏れる。

実行委員席には有栖川さんがいた。

各クラス2人が選ばれる体育祭実行委員に勝ち残ったのだ。


勝ち残った、というのも、クラスで実行委員になるためジャンケンという名の醜い女の子達のバトルが繰り広げられたのだ。


大方、生徒会に近付きたいというのが本音だろう。

クラスの女子のほとんどが立候補してたよ。

まさに血を血で洗う熾烈な戦いだった。

手を挙げた男子が2人くらいいたけど、女子の迫力に気圧されて諦めてた。可哀想に…。



結果、運だけは主人公パワーで人一倍凄い有栖川さんが残ったというわけだ。


聞くところによれば、今回の会議が生徒会と主人公の初接触だ。

つまりこれはイベントである。


嫌だなぁ…。

生徒会って攻略対象多いんだよねぇー。

まあ、乙女ゲームで生徒会って必須だしね。

仕方ないか…。


そんな私の脳内思考に一区切りをつけたところで会議室の扉が静かに開いた。


金髪碧眼のまるでお伽噺の王子様をそのまま現実に連れてきたような綺麗な顔をした人が顔を覗かせた。

生徒会長だ。


会長の後に続き、ぞろぞろと入ってくる生徒会メンバーに皆釘付けだ。

特に実行委員会は有栖川さんと似たような理由で入ってきた女子ばかりと聞いているので心なしか皆目がハートになっているように見えてしまう。



「遅れてしまってすみません。さっそく今から会議を始めようと思うのですが...。皆さんの中にはまだ僕達の事をよく知らない人も多いと思います。ですので、まず最初は皆さんとの親睦を深めるため自己紹介から始めようと思います」


生徒会長の声が会議室に響く。

多分、この学校で生徒会連中を知らない人なんていないと思うけど...。

まあ、自己紹介してくれるのなら助かる。

攻略対象の情報は少しでも多い方がいい。


生徒会長は立ち上がり、自己紹介を始めた。


「僕は3年の八王子陸人と言います。1年生は始めての体育祭でわからない事ばかりだと思います。わからない事があったら真っ先に生徒会や体育委員を頼って下さい。僕が生徒会という立場で行う最後の体育祭です。皆さん、よろしくおねがいします」


ほぅ…と女子の溜め息が漏れた。


そうだ、今の生徒会長の名前は八王子陸人だ。

今年3年で受験生だから、6月で生徒会は引退する。

一応攻略キャラなんだけれども…。


思い出すのは大量の血の水たまりの中心に横たわる主人公と八王子先輩。


息絶えそうな主人公に向かってこう言うんだ。

「俺だけを見ない貴女が悪いんだ…これからずっと愛しあえる…。俺の部屋で、2人、永遠に…」


………うおぉ!ゾクッとしたぁ!


彼は主人公が泣いている姿が大好きという隠れドSキャラなのだ。


生徒会長金持ちだからなぁ…。主人公監禁ルートとかもあった。恐ろしい…。


でも関係無い人まで殺さないあたり、一番マシなのかなぁ…?


そして、次にゆっくりとした動作で立ち上がったのは、目立つ橙色の髪に赤渕の眼鏡でいかにもチャラそうな男。

しかし、顔を良く見れば驚くほどの美人だ。

くそぅ…うらやましい。

前世でも私、この人の顔好きだったんだよね…。


確かこの人は副会長だったはず。


「こんにちはぁー。副会長の藤堂柚月です。ちなみに、2年生でーす」


藤堂先輩は腹黒参謀の副会長だ。



ふと藤堂先輩は私達がいる各クラスの学級委員が座っている席に目を向けた。


…んん?なんかあの人私の事見てない?

確実に目が合ってるよね。


「俺は主に学級委員への書類を渡したり、不備がないかをチェックする係だから、表立って行動はしないかなぁ?まぁ、分からないことがあったら聞いてね?基本陸人に丸投げだけど…」


そこで言葉を切ると、私に向かって微笑んだ。


「可愛い子なら…大歓迎…かな?」


瞬間、寒気が走った。

なんで、あの人私のこと見るの?


「柚月…誰に丸投げだって…?可愛い子なら歓迎って何だ?」


「…い、いやぁー、じょ、冗談だってー」


八王子先輩と藤堂先輩の絡みに笑いが起きた。

緊張感の無い空気。今のは何だったんだろう?

気のせい…だよね。


「お前ってやつは…。まあいい、次は会計か」


会長の指名に渋々ながら男が立ち上がる。


「……はぁ。…会計の箕田(みた)だ」


………不良さんキター!!

うわ、うわうわ、不良さんがいるよ!パツキンピアスのイケメンさんがいる!何か感動!


「ダメだよぉ、箕田。フルネームで。あと、よろしくって言わないと」


「チッ。箕田……ち、智尋(ちひろ)だ。…よろしく。」


よくできました。とばかりに拍手が怒る。

何だろう。この、幼児が初めて自分の名前を言えた時の様な、癒され感。


この人も攻略対象だ。

俺様で照れ屋な彼は何処へやら。

彼がヤンデレ化すると暴力的になる。

自分勝手に主人公を閉じ込めて、殴る蹴るを繰り返し、殺してしまうのだ。その後自分も自殺。


でも、通常時は害は無い。

俺様だけどね。

前世の親友がとても気に入っていたキャラの中の一人でもある。


「チッ…拍手とかマジでいらねぇから!次いけよ!」


そして書記と庶務の自己紹介が簡単にされて、体育委員長の自己紹介で最後だ。


この体育委員長がなかなかの爽やかイケメンで、とてもマッチョだった。

なんかもう、教育テレビの体操のお兄さんばりに爽やかマッチョだった。

だってもう、自己紹介からアレだったもん。


「こんちわ!体育委員長の岡田鉄郎(おかだてつろう)っす!元気だけが取り柄なんで、力仕事は任せろ!頼られても、力になれるか分かんないけど、一緒に頑張っていこう!よろしくな!」


ノリがもう体操のお兄さんだ。

口調は違えども「やあ!体操のお兄さんだよ!今日も元気に体を動かそう!」みたいなテンションだ。

思わず吹いてしまった。


そして静に引かれた…。


何となく、凌ケ峰君と気が合いそうな人だなぁ…。


「では、本題に入りましょうか。まず、今年度の体育祭における……」



▼▽▼



そうして、体育祭の時の役割分担、準備に必要なもの、招待客へのおもてなし。最後に予算を提示して、今回の会議は終了。


途中、担当の先生は誰だという質問があった。

その質問に生徒会長は困った顔をして、

「椎葉先生なんですが...。先生は…その、用事があるとかで来れないと言っていました。……あの役立たずめ…」

と曖昧に濁していた。


ここでも出てきたか、あの教師!

濁していた、ということは今頃会議を忘れて優雅にティータイムでもしてるんだろう。

仕事しろよ、バカ教師!


あと、生徒会長が皆に聞こえないくらいの音量で先生を罵倒していたことには触れないでおこう。


ドSキャラと、俺様キャラって、乙女ゲームの中では結構重要なポジションだよねぇ…。


でもホスト教師はいらない。むしろあのバカ教師はホスト教師なんてお色気キャラじゃなくて、ただの職権乱用教師だ。


授業の荷物運びのために、教室と遠く離れた職員室

を往復させられたことを私は忘れない。




会議の最後に、学級委員は体育祭アンケートの用紙を配るため残るように言われた。


担当はあのオレンジチャラ男だ。

何となく怖いから静の影に隠れて説明を聞く。


「体育大会の種目についてのアンケートなんだけど、去年から借り物競争とかを取り上げてみたら、思いの外盛況でねぇー、今年も生徒の意見を取り入れた競技をやってみよーと思ったんだけど…。」


と藤堂先輩はプリントを手渡しながら、アンケートについての注意事項をスラスラと言い、その日はそこで解散と言う事になった。


何だ、警戒して損した…。

というか、さっきから先輩のことをオレンジだとかチャラ男だとか、失礼な事言ってたな、反省。


ごめんよ、藤堂先輩。

一応心の中で謝っとこ。

アーメン。あ、違う。





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